【社長インタビュー】株式会社ソーイング竹内 代表取締役 竹内裕児様 | 播州の生地を使ったものづくり

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【社長インタビュー】株式会社ソーイング竹内 代表取締役 竹内裕児様 | 播州の生地を使ったものづくり

「就活の教科書」編集長 岡本恵典

「本物のメイドインジャパンを播州から世界に」とモノづくりにこだわる株式会社ソーイング竹内。
代表取締役の竹内裕児さんと営業部の笹倉さんにインタビューをお受けいただきました。
とても人想いな両名に、繊維会社でありながら人間的な成長のサポートに力を入れる会社の想いについてお伺いしました。

 

事業内容について

「就活の教科書」編集長 岡本恵典

事業内容を教えてください。

繊維製品の製造・卸・販売をしており、生産は国内・海外の両方で行っています。
海外で製造しているものは、お客様のニーズに合わせて国内だとコストや納期など物理的に難しい場合に限ります。
これは播州織ではなく、繊維製品というカテゴリーで主に中国でTシャツや布帛製品全般(バッグなど)を生産しています。
国内生産に関しては日本だけでなく、海外のお客様もいらっしゃいます。
2019年に初めて、僕(竹内)と笹倉(営業)二人で初めてニューヨークの展示会に出展しました。
2020年1月にも笹倉がニューヨークの展示会に赴き、海外に積極的にアプローチしようとしていたのですが、コロナで今は難しくなりました。
しかし、展示会で知り合ったお客様については現状も播州の商品を供給させてもらっていますね。

株式会社ソーイング竹内 代表取締役 竹内裕児 様

「就活の教科書」編集長 岡本恵典

海外だとやはり日本技術の需要は高いですか?

そうですね、価格だけでいうと中国などの各国には勝てないですが、風合いやクオリティ(安心、安全)の高さなど総合的に見てご理解をいただけるお客様はいらっしゃいますね。
あとは我々の「環境に配慮したものづくり」も、特に先進国では評価されるひとつの要因ですね。
我々が肌で感じているのは、ヨーロッパ・アメリカなどは同等品であればお値段が高くてもより環境に配慮したものを買おうという意識が非常に高いです。
それこそPATAGONIAさんなどが積極的にSDGsに絡んだ動きをされているのがクローズアップされていますね。

株式会社ソーイング竹内 代表取締役 竹内裕児 様

 


会社設立について

「就活の教科書」編集長 岡本恵典

会社の設立背景を教えてください。

私の父が地元の繊維の会社に勤めていたのですが、1982年(昭和57年)に独立して母と二人で町工場を始めました。
2000年に私が勤め先を辞めてこの会社に入り、2002年に父と社長を代わりました。
そこから百貨店様等との直接のお取引を始めて現在に至ります。
生い立ちは本当の小さな縫製工場ですね。
今は若いスタッフが多く、繊維会社ではありますが、自分たちの夢や希望を持ってチャレンジをしていける場所でありたいなと思って仕事をしています。

株式会社ソーイング竹内 代表取締役 竹内裕児 様

「就活の教科書」編集長 岡本恵典

最初から播州織をされていたのですか?

我々は縫製工場ですので生地を織っているわけではなく、主にOEM生産をしている会社です。
なので、それまで播州織を主に扱ってものづくりをしてきた企業ではなかったですね。
この地域(播州)自体が織物で盛んな地域なのですが、年々衰退している傾向があります。
この地で衰退していく産業を見ていて、自分たちに何ができるのか?と考えました。
そして、播州の生地を使ったものづくりをすることで「繊維のまち“播州”」を市場に広められたら、地域産業の活性化に繋がるのではないかと思いました。
播州織は先染め織物(まず糸に色を付けて織り上げて柄を作ること)ですが、僕らはそこにはこだわりませんでした。
真っ白な生地を織ることで、産地での我々なりの新たな取り組みを始めたいと考えました。
もちろん、しっかりとした技術・生産力があることを前提としています。
白だと汎用性が拡がるので、播州の地で真っ白な生地を織って、そこにプリントを載せて市場に供給しています。
厳密にいうと、我々が扱っているものを播州織と呼ぶと産地皆様は違和感があるかもしれません。
なので、今はできるだけ播州織という呼び方は使うことを避け「播州で織りあげた布」という意味で「播州布(バンプ)・BANP」と呼んでいます。
その播州布を使ったハンカチのブランド展開をおこなっています。
ハンカチは四方を縫うだけで簡単と思われがちですが、ハンカチの知識や経験と日本の縫製技術だからこそできるものです。

株式会社ソーイング竹内 代表取締役 竹内裕児 様

「就活の教科書」編集長 岡本恵典

ブランドにはどういった想いが込められていますか?

柄は1960年代のレトロなデザインを用いています。
今のトレンド色ではなく、その当時流行っていた色を採用するというこだわりを持っています。
1960年代は、特に日本国民が夢や希望を持って明るい未来を想像できた時代です。
カラーテレビの普及だったり、新幹線が走ったり、東京オリンピックだったり…。
アメリカを夢見て追いつけ追い越せじゃないですけど、憧れを持った多くの日本人が夢見たその時代背景を播州布の生地に載せて表現しています。
そのハンカチを広げるだけで、若い人には新鮮なノスタルジック感を、ご年配の方にはその当時のなつかしさやあの時夢見た未来を思い出せるとご好評をいただいております。
我々や地域のみなさんのものづくりに対する想いを、みんなが明るい未来を想像できたその時代に重ねて表現している商品です。

株式会社ソーイング竹内 代表取締役 竹内裕児 様

 

SDGsについて

「就活の教科書」編集長 岡本恵典

SDGsはどういう取り組みをされていますか?

地場産業の活性化、職場環境の改善、CO2の削減+廃棄生地のリサイクル、クリーンエネルギーの促進、環境に配慮した活動、地域社会への貢献を行っています。
具体的には、若者・女性・シルバー世代も働きやすいような職場環境、播州エリアの繊維業の技術力と品質の高さを世界に発信できたらとの強い想いがあります。
日本で初めてマスク製品としてエコテックス®︎スタンダード100認証を取得した「洗えるマスク」を地域全住民にいきわたるよう地元自治体に寄贈、災害時の緊急避難所としてもご使用いただけるよう自家発電社屋を建設するなど地域に少しでも還元できるような取り組みを実施しております。

株式会社ソーイング竹内 代表取締役 竹内裕児 様

「就活の教科書」編集長 岡本恵典

SDGsの取り組み背景は何ですか?

そもそものきっかけは、SDGsなんていうかっこいいものではなく、15年前ぐらいのことでした。
この日本で生まれてこの地で育って、なんとか社会貢献をしたいという想いがありました。
海外生産品の拡大に伴い、弊社は衰退の一途をたどっている中で、何か戦い方があるのではないかというところを模索していました。
ものすごい勢いで台頭している中国製品はコンビニのおにぎりのように大量生産大量消費ですが、そこを目指しても我々は勝ち目がないと考え、母親が子供の遠足のために朝早くに起きて手で握ってくれたおにぎりのような、そういう商品を届けたいという想いで取り組みだしたのがきっかけです。
ゴミを少なくしたり、地域の清掃だったり、女性の活躍する場を多く提供するだったり…。
2002年から毎月継続してきたことが結果的に偶然SDGsの考え方に沿う容となりクローズアップされています。

株式会社ソーイング竹内 代表取締役 竹内裕児 様

「就活の教科書」編集長 岡本恵典

今でこそ、SDGsという文脈がありますが、なかった当時会社に浸透させるのが難しかったのではないですか?
どのような育成をされたのですか?

育成というよりも、単純に下駄箱で靴がそろえられないとか、開けた扉が閉められないとか、私自身も含めて生い立ちの悪さが自分たちの足元を見たらわかりました。
本来当たり前なのにできていない、親や先生から教わったことを大人になってもやれてない者が大半でした。
できることを先ずはきちんとやっていこうということから始まっただけですね。
当たり前のことを当たり前にする。
そういうことを怠らず積み重ね継続していることなどが評価され、結果的に地域未来牽引企業などに選ばれたと思います。

株式会社ソーイング竹内 代表取締役 竹内裕児 様

「就活の教科書」編集長 岡本恵典

教育に力を入れられていますが、どういったことをされていますか?

本当に仕事を通じて人間形成の場であってほしいと思っているので、企業内大学という内容で、人間力を磨く講座を4~5年前からやっています。
社員全体に向けて、月1~2回程度ですが、関西学院大学の講師の方にご講義をいただいています。
他にも、A班B班とグループに分けて、平日の営業時間中に講座をお願いしています。
コロナ禍になってからはWEBセミナーでもいろんな先生方の講義を社内共有し受講しています。
JETROさんの講習に月1~2回行っていた社員もいました。
個々の情熱に応じてそういう場を会社として継続提供していきたいと考えています。
社員一人ひとりが人として成長することが企業としての一番の目標です。

株式会社ソーイング竹内 代表取締役 竹内裕児 様

「就活の教科書」編集長 岡本恵典

入社理由で多いものは何ですか?

繊維が好きとかよりは、人としての成長を目指してチャレンジしていくという企業の考え方に共感される方が多いです。
他には、繊維だけに限らず日本の文化を世界に広めていきたい方もドアをノックしてこられますね。
会社の業務定款の中であれば、「これをしたらだめ」ということがなく、できるだけチャンスを与えています。
情熱がある方にはそれに応じるというスタンスです。

株式会社ソーイング竹内 代表取締役 竹内裕児 様

「就活の教科書」編集長 岡本恵典

一人ひとりの裁量権が大きいのですね。

繊維というカテゴリーの中でやりたいことを言っていただけたら、希望に沿えるような内容をこちらも考えながらステップを踏んでいってもらいます。
百貨店様の営業をしたい、ECサイトを構築したい、海外に売り込みに行きたいなど比較的に自由です。
会社は田舎にありますが、お客様はほとんど都市部にいらっしゃいます。
コロナ禍でなければ東京に年間50~60回行っているようなメンバーが数名いたり、海外へも積極的に赴いています。

株式会社ソーイング竹内 代表取締役 竹内裕児 様

 

                                                   

繊維業界について

「就活の教科書」編集長 岡本恵典

繊維業界についてお聞かせください。

日本の中では衰退産業と言われ業者の数が絞られてきている中、今生き残っているのが少数精鋭のみなさんだと思います。
例えばIT産業などの今発展している産業も、20~30年後には今の繊維産業のような姿になるのではないかというのは想像ができます。
何でもそうですが、必ずいい時もあれば悪い時もあります。
現状この繊維産業が衰退する中、いかにここで生き延びるすべを磨くかが日本の文化を引き継ぐことにもなります。
先人たちが流した汗や涙がしみ込んでいるこの地で、我々なりにその想いや夢を背負い責任を持って未来に向かってアップデートしていきたいです。
おそらく僕とかの考えはすでに古いと思うので、若いみなさんには知恵を絞って、例えばデジタルなどを上手く活用し、自分が想像する未来型繊維産業を構築してもらいたいなと思います。
コロナは悪いことばかりではなく、今まではマーケットが日本だけに限られていたのが世界にもより発信しやすくなりました。

株式会社ソーイング竹内 代表取締役 竹内裕児 様

「就活の教科書」編集長 岡本恵典

不況の時こそチャンスととらえられているのですね。

はい。また、良いものは必ず受け継がれていきます。
それこそヨーロッパのエルメスさんを筆頭にですね。
やっぱり成熟したお客様は最終的には高くても長く使えていいものを、という風に趣向が変わってくるはずです。
そういう時代が来たとき応えられるようなものづくりを一つ一つ積み重ねていければと思います。
また、コロナ禍で我々の仕事が不要不急ではないという意識の下、若いメンバーが一丸となり社会貢献として何ができるかを考える時間をいただけました。
そこで生まれたのが、日本で初めてエコテックス®︎スタンダード100認証を取得(世界的な安心安全の基準をクリア)したマスクです。
日本でこれを取得できているマスクはまだ2~3社しかないはずで、その中でも弊社が一番でした。
社会のために何ができるかを考えることが結果的に社会にも会社にもいい影響をもたらすかと思います。

株式会社ソーイング竹内 代表取締役 竹内裕児 様

 

就活生へのメッセージ

「就活の教科書」編集長 岡本恵典

求職者に向けてのメッセージをお願いします。

情熱のある人は本当にウェルカムです。
人生片道切符なので、とにかく悔いない生き方を会社も望んでいます。
今の時代どうしても下を向いて自分なんか…と悲観的になりがちです。
失敗はチャレンジした者だけに与えられる証でもあるので、恐れずに成功だけを夢見て前に向かっていけるような仲間を増やしたいですね。

株式会社ソーイング竹内 代表取締役 竹内裕児 様

「就活の教科書」編集長 岡本恵典

お忙しい中、お時間いただきありがとうございました。

 


株式会社ソーイング竹内の会社概要

会社名 株式会社ソーイング竹内
本部所在地 〒679-1133 兵庫県多可郡多可町中区糀屋90
代表取締役 竹内 裕児
資本金 1,000,000円
事業内容
  • 雑貨商品の製造販売卸
  • 縫製加工全般(雑貨品)
  • 雑貨アイテムの輸入販売
ホームページ https://www.sewing-takeuchi.co.jp/
経営理念 人に優しく己に厳しく
経営方針 当社は社訓に謳われている信頼・誠意・感謝・努力・遂行を基本理念に人間性豊かな製品の開発・販売・生産活動・サービス等を通じて、社会に貢献する。