就活をしていると、企業から自己推薦書の提出を求められることがあります。
履歴書やエントリーシートのように毎回提出する書類ではないため、何を書けばいいのか戸惑ってしまう就活生は多いのではないでしょうか。
今回は、自己推薦書とは何かを解説し、具体的な書き方や例文を紹介していきます。魅力的な自己推薦書をマスターして、今後の選考を有利に進めましょう。
目次
1 自己推薦書は「自分を企業に売り込むための文章」
自己推薦書を一言で表すと、「自分を企業に売り込むための文章」です。企業は履歴書やES、面接などを通して学生の人間像を探り、採用の判断材料にします。
自己推薦書も同様で、学生についての情報を補強することが目的の資料です。そのため、「自分は会社に適している人材である」とアピールできる文章を書く必要があります。自己推薦書を自己紹介文や自己PRと混同することが多いでしょう。
しかし、これは間違いです。自己推薦書は企業へ売り込むための文章ですが、自己紹介文は基本的なプロフィールを簡潔に伝えるための文章なので、根本的に異なります。
また、自己推薦書は自己PRよりも詳細な内容を求められるので、入念な自己分析と企業研究が重要です。
2 企業が自己推薦書の提出を求める目的
なぜ企業は自己推薦書で学生のことを知りたがるのでしょうか。
提出求める企業には、次のような狙いがあります。
- 志望度の高さを知るため
- 会社に有益な人材かを判断するため
それぞれの目的について詳しく解説します。
2.1 志望度の高さを知るため
自己分析を十分にできている学生であるほど就活の軸が定まっているので、将来のビジョンや目的がハッキリしています。
確かな基準を持って企業を選んでいることが理解できるので、志望度が高いというアピールにも信憑性があると判断できるわけです。
2.2 会社に有益な人材かを判断するため
企業は自己推薦書のアピールを通して、志望者が会社にどんなメリットをもたらしてくれるのかを判断したいと考えています。
勤務内容に関係するスキルを有しているかなど、会社にとって戦力になってくれる人材かどうかは知りたいものです。
自己推薦書を書く際は、やりたいことや希望よりも、
- 自分が入社したら何が出来るか
- 何に貢献できるか
このようなことを積極的にアピールすることが重要になります。
3 自己推薦書を書く前にやっておくべき準備
自己推薦書を書こうとしても、下記のようなことが分からない就活生も多いのではないでしょうか。
- 自分が何に優れているのか
- 何をアピールすればいいのか
- 「自己分析・他己分析」で自分の長所をリストアップする
- 「企業研究」で企業の求める人物像を把握する
- 求める人物像にマッチする長所を1つ選ぶ
- 選んだ長所の具体的なエピソードを書き出す
事前に上記の作業を行い、自分自身のことや志望先の企業について理解を深めておきましょう。
それぞれの項目について詳しく解説していきます。
3.1 「自己分析・他己分析」で自分の長所をリストアップする
自分の長所を見つける上で、自己分析を行うことは必須です。これまでの人生で夢中になったこと、得意なことは何だったかを思い出し、長所を考えてみましょう。
得意だと思ったことはなくても、誰かから感謝されたり、褒められたりした経験があれば、それも書き出しておくといいでしょう。
見つけた長所をリストアップしておくことで、その中から企業へアピールするための長所を選べるようになります。
また、客観的な視点を取り入れるためにも、自己分析と合わせて他己分析を行うのがおすすめです。
家族や友人などに分析してもらうことで、自分では当たり前だと思っていた意外な長所を発見できるかもしれません。
もし発見できなかった場合でも、客観的な意見は根拠として有効なので、積極的に依頼してみましょう。
3.2 「企業研究」で企業の求める人物像を把握する
企業研究に取り組んで、企業の求める人物像やスキルを知りましょう。企業が欲しがっている人物像を把握していれば、より効果的に自分を売り込めるようになります。
公式ホームページや説明会、OB・OG訪問を活用して、経営理念や事業内容などの情報を積極的に集めましょう。
3.3 求める人物像にマッチする長所を1つ選ぶ
自己分析で見つけた自分の長所から、企業が求める人物像にマッチする長所を1つ選びましょう。アピールポイントを複数選んでしまうと、ポイントが分散され、自分の主張が弱くなってしまいます。
志望企業が求める人物像や社風に最も合致している長所だけを伝えましょう。
3.4 選んだ長所の具体的なエピソードを書き出す
自己推薦書でアピールする長所を選んだら、根拠となる具体的なエピソードを書き出しましょう。実際に強みを活かしたエピソードを伝えることで、説得力をもたせることができます。
誰が読んでも、その時の状況やあなたのことがイメージできるように、具体的な内容を書くことが大切です。
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4 魅力的な自己推薦書を書くコツ
魅力的な自己推薦書を作成するために、いくつか書き方のポイントを押さえておく必要があります。
どれも重要ですので、しっかり確認しておきましょう。
- 話に一貫性をもたせる
- その企業で頑張れる根拠を示す
- 入社後の自分がどう貢献するかを伝える
- 話を盛りすぎるのはNG
- 固有名詞や数字で具体性を高める
4.1 話に一貫性をもたせる
自己推薦書の内容全体を通して、一貫性のある主張ができることは非常に重要です。
話し始めの主張と最後の主張が一致していないと、何を伝えたいのかわからなくなってしまいます。
自己推薦書は文章量が多いので、途中から主張が変わってしまわないように注意しましょう。
事前に文章構成を考えた上で書き始めるのがおすすめです。
4.2 その企業で頑張れる根拠を示す
- 自分がなぜその企業に合っているのか
- なぜその企業でなければならないのか
自分が適任であることをこういった視点で担当者が納得できるようにアピールしましょう。
企業研究を通して明らかになった企業の特徴と自分の長所を結びつけて、自分が頑張れる根拠を書きます。
自己PR以上に企業への志望度を示すチャンスなので、具体的なエピソードと共にはっきりと長所を伝えましょう。
4.3 入社後の自分がどう貢献するかを伝える
どんなに魅力的なスキルや長所を持っていても、企業でどのように活かせるかが書かれていないと、採用担当者の心を動かすことはできません。
企業側は、あなたが入社することで、会社の利益にどう貢献してくれるのか知りたいのです。入社後に自分の長所がどんな場面で活かせるのか、イメージできるように伝えましょう。
4.4 話を盛りすぎるのはNG
企業に良く思われたい一心で長所やエピソードを盛りすぎるのは厳禁です。
自分の経験やスキルを誇張させると、嘘に変わる可能性があります。
仮に書類選考を通過できたとしても、面接で深堀りされた際に嘘を見抜かれてしまうでしょう。
ビジネスの世界では信用が大前提となります。
信用を失ってしまうと採用から大きく遠のいてしまいます。
誇大表現になっていないかよく注意しましょう。
4.5 固有名詞や数字で具体性を高める
自己推薦書は、固有名詞や数字などの表現で文章の情報量を増やし、より具体的にイメージしやすくすることがポイントです。
例えば、「大幅に」「たくさんの」よりも「◯%改善」「◯◯コンテスト入賞」といった固有名詞を使った表現を使うと、エピソードの現実味が増します。
明記できるものがあれば積極的に書くようにしましょう。
5 就活向け自己推薦書の構成・例文紹介
自己推薦書について理解を深めたところで、次は実際に文章を作成してみましょう。相手に伝わりやすい自己推薦書にするためには、適切な文章構成で書くことも大切です。
ここでは自己推薦書の文章構成の解説や、具体例を紹介していきます。
構成のポイントを確認し、自分の強みを最大限アピールできるような自己推薦書を作りましょう。
5.1 自己推薦書のおすすめ構成
- 自分のアピールポイントは何か
- アピールポイントである根拠・エピソード
- 企業の特徴と自分の長所が合致する理由
- 企業にどう貢献できるか・意気込み
自己推薦書は上記の構成で書くと、わかりやすく、自然な文章を作れるようになります。冒頭から結論であるアピールポイントを書き、採用担当者の興味を引きましょう。
アピールポイントの根拠やエピソードはその後ろに続けていきます。根拠を説明し終えたら、企業の求める人材とアピールポイントがどう合致するのかを伝えましょう。
最後は就職後のビジョンや意気込みを書いて締めくくります。
適切な文章構成を心がけて、採用担当者に伝わりやすい自己推薦書を目指しましょう。
5.2 就活の参考に!自己推薦書の例文
私は人一倍好奇心が旺盛で、幅広く興味・関心が持てる人間です。大学時代、私はコンピュータサークルに所属していました。
そこではプログラミングにとどまらず、電子工作や3Dモデリングなど、コンピュータを使うものであれば自由に活動が可能でした。
私はこのサークルで、複数人でのゲーム制作や、イラスト制作・展示、WEBデザイン勉強会の開催、プログラミングコンテストへの参加など、様々な活動を経験しました。中でもゲーム制作活動は、自身の発想したアイデアが作品の土台となったので、強く印象に残っています。
学園祭で展示した際には、子供たちが大興奮で私達のゲームを遊んでくれました。楽しそうに遊ぶ彼らの姿から得られた充足感は、忘れられません。
貴社のエンターテインメント事業は、革新的なユーザー体験の提供を重視している点が特徴です。私の強い好奇心は、新しい価値の創造が求められる貴社の仕事でこそ、存分に活かせると自負しています。
入社した際には、持ち前の好奇心で世の中に驚きを届けられるような作品作りに携わり、貴社のブランド力発展に貢献したいです。
6 自己推薦書を上手く活用して書類選考を突破しよう
自己推薦書は企業に自分を売り込むための文章であり、選考の判断材料として重要な資料です。
自己分析や企業研究を十分に行い、企業が求める人物像と自分の長所がいかにマッチするかを上手くアピールしましょう。
長所を伝えるときはその根拠となるエピソードを具体的に書くことが大切です。紹介した文章構成や例文を参考にしながら、自己推薦書を完成させましょう。
もし自信がないときは、就活に詳しい人から意見をもらうのがおすすめです。魅力あふれる自己推薦書を作成し、書類選考の突破を目指しましょう。