商事、物産も。総合商社の若手の退職が止まらない、不都合な真実。転職者はどこへ?

監修者:岡本 恵典(株式会社Synergy Career CEO)

この記事を読めばわかる事
  • 総合商社が人気なのは、優秀な人材が集まる仕組みがあるから
  • 総合商社を辞めた人は、スタートアップや外資系転職が多い
  • 「自分に合う業界や企業がわからない…」という方は「適性診断AnalyzeU+」で診断するのがおすすめ

 

学生の就職人気ランキングで常に上位に君臨する総合商社。

なんと、その勝ち組総合商社の若手の退職、流出が増えているらしい。

総合商社に何が起きているのか。

実態を探ってみた。

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そもそも総合商社はなぜ人気があるの?

総合商社は時代を問わずに就職人気で上位にいる。一時卸不要の「中抜き」が話題となった時代には少し冬の時代があったが、その後事業投資を中心に業容を展開することでリスペクトされる企業の立ち位置を保ってきた。主に2つの理由があると考える。

 

一つ目は、「そもそも総合商社とは」というシンプルな問いの答え。

会社誕生の背景を考えると非常に崇高な目標を持った会社である。明治時代、富国強兵を強めていく当時の大日本帝国において、資源の確保というのが大きな命題であった。日本には資源がない。海外から輸入してくるしかない。そこで勇んで海外に飛び出ていったのが商社マンだ。普通の人では立ち入ることができない領域を果敢に切り拓く姿勢。これこそが商社マンの醍醐味であり、起源である。

 

2つ目はズバリ「営業力」だ。

見知らぬ地に飛び込み、そこでビジネスを展開にするには言語や習慣を超え、相手と自分たち、社会に便益をもたらすことが必要だ。そこで必要になるのが交渉力や営業力である。

「私とディールをしないと損をしますよ」とばかりに、自分とつきあうことに対してメリットを感じさせることが彼らの仕事だ。

その商社マンが学生と対峙をする。それは総合商社の人間が魅力的に見えないわけはないし、むしろそれくらいできる人材でないと商社の中で通用しないのだ。

 

こうして、商社に優秀な人材が集まる仕組みが整い、長きにわたり優秀な学生が集まる場所となっている。

ちなみに、総合商社から内定をもらうためには、完成度の高いESや面接回答をしなければなりません。

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「就活の教科書」編集長 岡本恵典

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採用の状況

最近の総合商社の採用の状況はどうだろうか。

商社人気は相変わらずなのだが、採用の状況を見ていると若干の焦りも見てとれる。人気があるとはいえ、優秀な学生の志望先は分散する傾向にあり、総合商社とは言え頭を悩ませているようだ。

 

最近の採用の傾向

総合商社の採用は従来、後ろに構えて、他の会社の選考が終わってから内定を出す、ということが多かった。特に選考の早い金融系の選考の終了を待っていた。これが徐々に早まっていき、今ではむしろほぼすべての総合商社が三菱UFJ銀行よりも内定出しが早い、という状況になっている。3〜4年前と比較をすると

三菱商事  従来 選考開始後10〜12日くらいで一斉に内々定出し

現在 選考開始後5〜6日程度で順次合格者に内々定出し

伊藤忠商事 従来 選考開始後5〜6日程度で順次合格者に内々定出し

現在 選考開始後3〜4日程度で順次合格者に内々定出し

といった具合だ。

三井物産ショック

焦りからか、よくわからない選考手法を取り入れ学生を混乱させるケースもここ2〜3年の特徴だ。

3年前に三井物産が導入した「グループディスカッション」選考。これの評判が特に悪かった。ディスカッションの時間が15分程度しかなく、学生からすると

「何も話していないのに合格になってしまった」

「時間が短すぎて何を見られて合否を決めているのか全くわからない」

「結局学歴と見た目?男女割合の調整?」

という印象を持ち、当時のみんしゅうが荒れていた。

 

「使命感」と「人材」が多くの学生を引き付ける理由となっている総合商社において、「人の何を見ているかわからない」という選考が思いっきり逆を行ってしまったため、学生に与えるインパクトも大きかったのだろう。

 

ミレニアル世代とのGAP

総合商社が素晴らしい使命を持った会社であることは間違いない。2060年にはアジアの人口をアフリカの人口が超えていく予想もあり、現在アフリカ市場は中国系企業に牛耳られつつある。そんな中でアフリカにも積極的に投資をする商社の意義は益々日本にとって貴重なものになるはずである。

が、「優秀学生の分散化」という話をした通り、商社を目指す優秀学生は年々少なくなってきている。

それがなぜ起こるか。「情報」と「価値観」の2つである。

一つ目の「情報」については簡単だ。学生が自分の生き方、将来を考えた時にアクセスできる情報が極めて増えた。

これまでの学生は限られた情報の中で自分の生き方を選択しないといけない立場であったので、「先輩のいる場所」「勝ち組」といった選び方が主流であった。勝ち組はもちろんの事、結局優秀な学生は優秀な先輩と一緒に居る傾向があるので、単純に「先輩のいる会社」として認識していた。

しかし、現在は学生起業家も多く存在したり、大学1、2年生に向けた企業からの情報提供の機会が大学の講義として存在していたりと、ネットだけでなくリアルに学生が社会人と接点を持てる時代になった。

「勝ち組」はいわゆる日本的な大企業に入社をし、大きな仕事を成し遂げ出世をし、部長、次長と偉くなっていくような姿でなく、自分自身のスキルや経験で自分の未来をつかむことができる人材にシフトしていった。

 

2つ目はこの世代の特徴である、若いうちに東日本大震災を経験したことによる価値観のシフトである。「人の幸せとは何か」「社会の役に立つにはどのようにすれば良いか」を価値の根底として持つ人が多い。従来のように30代で1,000万給料をもらう、や40代で2,000万といった年収面での訴求はしづらくなった。それよりも仕事を通じて社会的にどのような価値を出すのか、どのように世の中を良くするのか、といったことを重視する世代である。

総合商社も非常に大きな役割を担う会社であることは間違いないので、その点に響く学生はいる。しかし、googleやamazonのように、社会の形そのものを変えてしまうようなサービスが生まれている中では、総合商社もある程度今やっていることをそのままやっている会社、として見られてしまう。

 

この辺りが今の若い世代と総合商社のGAPになっている。

 

退職者はどこへ

せっかく誰もが羨む会社に入社したのに、なぜ辞めるのだろうか。

筆者が所属していたスタートアップベンチャーにも何度か総合商社出身の方が転職の面接に来たのを覚えている。

勝ち組とも言える彼らは何を考え、商社を離れるのだろうか。

 

なぜ辞めるの?

商社の退職者の話を聞くと、以下のような特徴がある。

思ったより新しい仕事ができなかった

利益重視で、もっと社会貢献できると思ったがそうではなかった

周りのベンチャーの方が自由で面白そうだったから

など。

僕が考えるに、採用する人の質が下がっている、というのが全ての解。

上記のようなことは、就職活動の時にちゃんと話を聞いていれば防げることばかりであり、それを理由に辞めるなんて、バカみたいだと思う。

この就活売り手市場の状況において、学生側もちゃんと勉強、情報収集をしなくなっている、もしくは総合商社側も学生受け得る話ばかりをしていて、現実を語っていない、など、いろいろな話があるかと思うが、結局は採用の質が下がってしまっていることが退職者増の要因なのだろうと。

焦って選考が荒くなっているのかもしれないけど、ドンと構えて覚悟を持った優秀人材を採用してほしい。

外銀、外コンに採り負けているのだろうと思う。頑張れ総合商社。総合商社は採用においては日本代表そのものなのだ。

 

退職したらどこに行くの?

総合商社の退職者が行くところ、ベスト5は以下の通り。

1スタートアップ

2外コン

3MBA留学

4国際的NPO

5外資事業会社

ほぼ想定通りかと思う。あまりサプライズもない。

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当サイトがおすすめする自己分析のやり方は以下の記事にまとめていますので、合わせて参考にしてください。

 

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30過ぎたら転職できなくなる

もしこの記事を見ている総合商社の人で転職を考えている人がいたら参考にしてほしい。2つの理由から、「30歳を過ぎたら社畜」の覚悟を決めることが必要になる。

 

一つ目は給料&嫁ブロックだ。

商社だと30少しで約1,200万くらいの給与水準になる。

この水準が可能なのは外コンか外銀くらいしかないので、転職という意味では非常に幅が狭くなる。一度MBA留学して戻ってから外コン外銀の方が現実的かもしれない。

そうなった時に厳しくなるのが、嫁ブロックである。

そもそも給与が下がる会社への転職を認めてくれるような奥さんも少ない。また、30代で子供でもいようもんなんなら「留学なんて、その間のお金はどうするの!?」となって取り合ってももらえない、ということになる。

30代、結婚、子持ちの総合商社の方はまず転職はハードルが高い。

 

二つ目はポータブルスキルの不足である。

総合商社で培われた能力を、外の会社で発揮しようと思っても、その場所がほぼない。大企業の能力は大企業でしか生きないものが多い。30歳、総合商社年収1,200万の人が、スタートアップに転職しようとしたら給料は500〜700万程度にしかならないだろう。これでは妻や子供がいなくとも一人での生活すら厳しくなる。メガベンチャーや上場したてのベンチャーくらいの規模になればまた別だが、シードからシリーズAくらいの企業は社長ですら年収600万程度、ということがざらにあるので、この点も厳しい。総合商社で培った能力は評価されないのだ。

私も総合商社の人と面接とした時に「で、結局うちの会社で何ができて、いくら売上上げられるんですか?」というとモゴモゴしていた。こんなコストの高い人材をポテンシャルで採用するほど、中途採用市場は甘くない。

 

以上、総合商社の現状の採用、退職について触れてきたが、総合商社には頑張ってもらいたい。本当に。日本を代表する企業には日本を代表するような人材が集まってしかるべきであるし、そのような人を育成してほしい。

 

学生の方も総合商社を受けるのであれば使命感だけではなく、泥臭さやその後のキャリアなど、生々しいこともしっかりと踏まえて就職活動をしてほしいと思う。

 

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就活で総合商社内定に向けてオファーボックスが有用

総合商社に入るには、基本的なSPIと徹底的な自己分析が必要だ。
面接でもあまり難しい質問はなく、基本的な人間性を見極めるものばかり。

経営人材を採用するのが採用なので、就活をする学生の資質をしっかりと見極めに来る。

就活生の自己分析を助けてくれる面白い機能がこのオファーボックスというサイトのAnalizeU。

自己分析に役立つ、というのももちろんいいのだが、SPIの性格診断の結果に近い結果が出るのが特徴的だ。

特に、面接に慣れていない素人面接官は就活生の皆さんが受けたSPIテストを手元に持ちながら話を聞く。

SPIの結果に「こんなことを聞いてみてください」という質問事例が書いてあるから、とりあえずそれを聞いておこうとなるので、面接をあまりやっておらず何を聞いていいかわからない面接官に重宝されている。

そうすると、このAnalizeUを受けておくことによって、就活生の皆さんは「面接官は自分を『このような人間』として見てくるだろう。それならこんな話を聞きたがるはず」という想定をすることができる。

無料で受けられるテストなので、是非一度受けておくことをオススメする。

※オファーボックスは逆求人サイトだが、大手で採用の多い企業からはスカウト来ない。採用数が多いと、1人1人に連絡を取るのがかなりの手間になってしまうので、非効率で、総合商社からスカウトが来ることは期待しないほうがいい。

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業界研究を進めているつもりですが、正直できている実感があまりありません・・・

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同時活用して自分が活躍できる業界を見つけてみましょう。

 

また、業界選びが上手にできるスカウトサイトの記事をまとめたので、読んでみてくださいね。