「就活の教科書」編集部野口
こんにちは!「就活の教科書」取材チームの野口です。
今回は、京都産業大学でアントレプレナー育成プログラムを運営している奥村靖之さんと棚原由香利さんに、2026年新設予定の新学部相当「アントレプレナーシップ学環」と全学部生対象の「アントレプレナー育成プログラム」についてお話を伺いました。
加えて、学生の御前星真さんにも起業に向けたお話を伺いました。
みなさん、本日はよろしくお願いします!
奥村靖之(おくむら・やすゆき)
アントレプレナーシップ学環設置準備事務室 事務長
2025年3月まで学長室に在籍。2016年から始まった大学全体の中長期計画の一環としてスタートした「アントレプレナーシップ」に関する教職協働による取り組みにおいて、初期から携わっており、これまでのプログラム全体の流れに精通。
棚原由香利(たなはら・ゆかり)
アントレプレナーシップ学環設置準備事務室
大学における就職支援やキャリア教育の立ち上げなど、学生のキャリアサポートに長く携わる。イノベーションセンターの設立を担当。現在はアントレプレナー育成プログラムで関わり「起業したい」という学生の気持ちを形にできるようにサポートしている。
目次
京都産業大学インタビュー①アントレプレナーシップ学環とは
アントレプレナーシップとは「行動し、変化を起こす姿勢」
「就活の教科書」編集部野口
アントレプレナーシップ学環の話を伺う前に、「アントレプレナーシップ」をどのように定義されているか教えていただけますか。
「アントレプレナーシップ」という言葉は、日本語では「起業家精神」と訳されます。そのため「会社を起こすこと」として捉えられがちです。ただ、本質はそこではないと私たちは考えています。
文部科学省などでも言われているように、アントレプレナーシップとは、「新しい価値を生み出すために、枠を超えて、挑戦しながら行動していく姿勢」なんです。
つまり、世の中をもっとおもしろくするためのアイデアを描き、それを実現するために行動して変化を起こす姿勢であり、そのためのアントレプレナーシップ教育は、単なるビジネス教育を指すものではないということがとても大切なポイントです。
京都産業大学奥村靖之先生
「就活の教科書」編集部野口
アントレプレナーシップとは、会社を起こすことではなく、変えていくことに挑戦、行動していく姿勢なのですね。
コロナの収束やAIの進展によって、社会は大きく変わっています。これからを担う世代にとって必要なのは、変化を先取りし、自分で新しいものを生み出していく力です。
AIやロボットとの共存が現実となる中で人が本当にすべきことは、イノベーションを起こすことだと思います。それは、すべての人が活躍できる社会をつくるという「ウェルビーイング」の実現にもつながっていきます。
だからこそ、私たちはイノベーションの源となるアントレプレナーシップを、どんな分野においても必要な姿勢として、しっかり学生に育てていきたい。当然、就職した後にも必要です。その思いで、全学部を対象とするプログラムをつくり、次は「アントレプレナーシップ学環」をつくろうとしています。
京都産業大学奥村靖之先生
「ビジネス教育」ではなく「イノベーション教育」
「就活の教科書」編集部野口
「イノベーションの重要性やアントレプレナーシップの必要性を学生に伝えて行きたい」という想いがあり、アントレプレナーシップ学環が生まれたのですね。
高校生などの声を聞いていると、中には「起業したい」「何かを変えていきたい」という強い想いを持ち、具体的なアイデアやプランを持っているという生徒さんがいらっしゃいます。その方たちの進路として「学部が合っているのか?」という疑問が生まれました。
学部というのは、一つの専門領域を深めていくことには長けていますが、分野を横断する領域にある人材育成には、必ずしもマッチしていないことがあります。未来は待っていたら来るのではなく、自分で描いていかないといけない。そのためには事業(コト)を起こし、ビジネスとして成立させ、それを持続していかなければ、未来は現実になりません。これには経営学だけではない複数の領域の知識が求められます。
京都産業大学奥村靖之先生
「就活の教科書」編集部野口
確かに、起業を目指す方には、これまでの学部とは違う選択肢も必要ですよね。
京都産業大学は、これまでにイノベーションセンターの体制やアントレプレナーシップのプログラムをつくってきましたが、実際に熱意ある学生たちが「最初からビジネスに没頭できる4年間の教育があったら」と言っていました。そんな学生の本気に、大学も本気で応えたいと考えています。
我々が目指すのは単なるビジネス教育ではなく、アントレプレナーシップを持って、世の中を変えていくことに挑戦し続ける人材育成のためのイノベーション教育です。だからこそ、アントレプレナーシップ学環という名前を掲げています。
学士号としては「ビジネス」となりますが、英語では“Bachelor of Business(Entrepreneurship and Innovation)”と名付け、アントレプレナーシップとイノベーションをしっかり理解したうえで、それをビジネスという形で実現できる人材の育成を目指しています。
京都産業大学奥村靖之先生
「就活の教科書」編集部野口
ビジネス教育ではなく、イノベーション教育なのですね。非常に興味深いです。
企業の方々とも対話を重ねる中で、「アイデアや意見を出す人はいても、それを最後まで形にする人がいない」ということを耳にしました。ですので、企業の中においても、人々の共感と協力を得て、ヒト・モノ・カネを集めて事業にし、それを継続・拡大できる人材を育てたいと思っています。
誰かに任せるのではなく、自分自身が当事者として動ける人。そういう「未来の当事者」を育てるのが、私たちの目指しているアントレプレナーシップ教育なんです。
京都産業大学奥村靖之先生
学問を横断して学ぶ「学環」という新しい選択肢
「就活の教科書」編集部野口
未来の当事者を育てたいとお考えなのですね。
「学環」とはどういった仕組みなのでしょうか。
私たちが目指しているのは、学問分野を横断する新しい形の教育です。複数の学部のリソースを持ち寄って、新学部に相当する学位プログラムを新たに生み出すという「学部等連係課程」の制度を活用することで、「学環」を構成します。複数の学問を環のように結ぶことから、そのように言います。「がっかん」と読みます。
従来型の大学教育というのは、単一の学問体系の中での人材育成が中心でした。しかしビジネスを起こそうとすると、法的な知識も必要になります。ビジネスの「ネタ」を探すには、社会を見渡す力、世界を知る力が求められます。そうなると、経営学に加えて法学や社会学といった学問の力も必要になってくるんです。
京都産業大学奥村靖之先生
「就活の教科書」編集部野口
大学=学部と学科のイメージでした。
学環の教育について詳しく教えていただけますか?
アントレプレナーシップ学環は、経営学部、法学部、現代社会学部が連携して開設します。
教育課程としては経営学部等の授業を一部共用しますが、ここではアントレプレナーシップ学環の学生と学部の学生が一緒に学ぶことになります。
一定の条件のもとであれば、さらに他学部の授業も履修可能です。京都産業大学は一拠点総合大学なので、例えば経済学部や文化学部など、アントレプレナーシップ学環以外の科目も受講しやすいことは特色でしょう。仲間が増えやすいこともポイントです。
京都産業大学奥村靖之先生
伴走型から自走型へ「セルフ・カルチベーション」
「就活の教科書」編集部野口
一拠点総合大学の強みを活かした教育なのですね。
アントレプレナーシップ学環の特徴的な授業はありますか?
大学での教育は、これまで伴走型でした。例えば先生がいて、課題等が与えられて、それについて学生は考えていき、指導してもらえる。
しかし、「伴走型で本当にビジネスを生み出すことができるんだろうか」という疑問がありました。そうした問題意識から、演習として「セルフ・カルチベーション(Self-Cultivation)」という科目を設けました。日本語にすると「自己開拓」です。
京都産業大学奥村靖之先生
「就活の教科書」編集部野口
「自己開拓」の授業ですか。具体的にどんな内容なのでしょうか。
この授業では、学生が自分自身のミッションを明確にして、目標を立てて、自分で考え、教員の前でプレゼンテーションしてから、1年間かけて自分のプロジェクトに取り組むという形式をとっています。
うまくいくこともあれば、失敗することもあります。でも、成功や失敗といった結果よりも、「なぜ成功したのか」「なぜうまくいかなかったのか」を自分で分析し、「何の学びが必要か」を自覚して次の自走に向かっていくことが大切なんです。
このように、「伴走型から自走型へ」ということを心がけています。
京都産業大学奥村靖之先生
「就活の教科書」編集部野口
自分で設定したプロジェクトに取り組むというのは、学生にとって大きな経験になりそうですね。
京都産業大学には、イノベーションセンターの体制があり、すでに学生のプロジェクトを支援する必要なリソースが揃っていて、実績もあります。だからこそ、こういった特色ある授業ができると思っています。
人生100年時代ですから、一度ビジネスを起こしたら終わりではなくて、ビジネスをどんどん更新していく力が必要です。そのためには、自分をアップデートし続けることが必要であり、常に学び続けるという姿勢を得ることが大切だと考えています。
京都産業大学奥村靖之先生
京都産業大学インタビュー②アントレプレナー育成プログラムとは?
「失敗しない4年間って、失敗かも」
「就活の教科書」編集部野口
京都産業大学の特色を活かすことで、特徴的な授業が実施できるのですね。
アントレプレナーシップ学環とは別に、「アントレプレナー育成プログラム」も実施されているのでしょうか。
アントレプレナー育成プログラムは京都産業大学の中長期計画に基づき、2023年度から本格稼働したプログラムです。
「本学ならではの教育、これからの社会を担う学生のための教育をしよう」という当時の学長のリーダーシップの下で、全学部生を対象とするプログラムを作成しました。幅広い知識を学生が得られるよう、文系・理系全10学部の教員が参画していることも特徴です。
起業したいという本気の学生たちに応えられるよう、アントレプレナーシップのみを身につけるのではなく、アントレプレナーを育成する実践的プログラム=アントレプレナー育成プログラムと名付けています。
単位を授与する正課教育と、課外で学生の挑戦を支援することの、2つの軸からなるプログラムです。
京都産業大学奥村靖之先生
「就活の教科書」編集部野口
アントレプレナー育成プログラムはどの学部でも参加することができるのですね。
アントレプレナー育成プログラムは、実際に起業に本気で取り組みたい学生のために、授業部分は比較的コンパクトに設計されています。講義4科目、演習2科目で構成されていて、所属する学部の学びと両立できるように配慮しています。授業の内外で、他学部の学生と交わりながら刺激を受けて、そこから仲間づくりも進んでいます。
学生のみなさん全員を「起業させたい」と思っているわけではありません。いろんな選択肢があってよいでしょう。
でも、どんな進路を選ぶにせよ、「失敗しない4年間って、失敗かも」ということは、全員に問いかけたいです。
京都産業大学奥村靖之先生
「就活の教科書」編集部野口
「失敗しない4年間って、失敗かも」というスローガンは心に響きますね。
演習科目はより実践的で、本気で取り組みたい学生向けの内容です。社会課題をテーマにしたプロジェクトや、企業と連携して取り組むもの、さらには科学技術を活かしたものなど、興味関心に応じて取り組めるようになっています。
所定の要件を満たせば、修了証明書の発行もあります。学生にとっては「やり切った」という自信になると考えています。
京都産業大学奥村靖之先生
京都という地域資源を活かした、リアルな実践機会
「就活の教科書」編集部野口
アントレプレナー育成プログラムは本気で挑戦したい学生にとって、良い機会になるのですね。
起業家の方などと連携されているのでしょうか。
演習科目では、企業の課題解決に取り組むPBL(課題解決型学習)も行っています。昨年度は、豊田通商さんとの連携で、EVバイクをテーマに、実際のバイクを使って学生が実証実験やアイデア提案を行うという取り組みも実施しました。
また、起業家の先輩を招いたトークイベントも年に数回行っていて、成功だけでないリアルな経験談を聞ける貴重な機会になっています。
京都という地域の強みを活かしながら、学生と支援者とのつながりが自然に生まれる仕組みを大切にして、実践的な学びと社会との接点をプログラムにしっかりと組み込んでいるのが特徴です。
京都産業大学棚原由香利先生
「就活の教科書」編集部野口
楽しそうなPBLですね。起業家の先輩から直接話を聞ける機会があるのも、モチベーションにつながりそうです。
参加した学生さんからはどのような声が寄せられますか?
企業の方や実際に起業された方と直接お話しできる機会というのは、アントレプレナー育成プログラムを受講している学生にとって、とても有意義な時間になっているようです。
そうした場では、学生からの質問もとても活発で、普段の授業よりも、終了後に質問の列ができるほど熱心に話しかけに来る様子が見られます。実際に現場の声を聞くことで、学生たちの関心や意欲が高まっていると感じています。
演習科目は土曜日の1限目に開講しているんですが、みなさん休まずにしっかり取り組んでくれます。
京都産業大学棚原由香利先生
起業だけが正解ではない。行動してみることが大事
「就活の教科書」編集部野口
学生さんもそれだけ真剣に受講されているのですね。
アントレプレナー育成プログラムを受講した学生さんに、どのようになってほしいと思われますか?
進路は、決して起業だけが正解じゃないと思っています。長い人生の中で、起業のタイミングは人それぞれですし、無理に押しつけるものではないと思います。企業の中で、事業を起こしていく企画人材(イントレプレナー)となっていくこともあるでしょう。
将来の進路の選択肢や可能性が広がることが大切なので、学生が自分らしいキャリアを見つけられるようにサポートをしていきたいと思っています。もちろん、「起業したい」という気持ちが本物なら、私たちは全力で支援します。
京都産業大学奥村靖之先生
「就活の教科書」編集部野口
起業だけでなく、自分のやりたいことやキャリアを見つけられるよう、サポートしてくださるのですね。
そして、アントレプレナー育成プログラム(SHIFT)の根底にあるのは、「社会を変えたい」という思いを持った学生たちを応援したいという気持ちです。そのために、このプログラムには、「SHIFT」として、「学生を変革志向に変える」というスローガンを設定しています。
「うまくいかないことがあってもいい。でも、まずは動いてみよう。挑戦してみよう。」
そう学生のみなさんに伝えたいです。
京都産業大学奥村靖之先生
京都産業大学インタビュー③「あきコマ」学生起業家:御前星真さん
御前星真(みさき・せいま)
京都産業大学現代社会学部2年次生
現在、大学に在学しながら起業活動に取り組む学生起業家。2025年6月にスタートアップ企業を法人化予定。提供するサービス「あきコマ」はこれまで10回のコンテストに挑戦し、9回の受賞歴を誇る。
アントレプレナー育成プログラム目的で京産大へ入学
「就活の教科書」編集部野口
ここからは学生の御前さんにお話を伺っていきます。
まずはアントレプレナー育成プログラムに参加した理由を教えてください。
アントレプレナー育成プログラムに参加した理由は、高校生の頃から起業したいという思いがあったからです。
起業に対応できる他の大学も志望していましたが、京都産業大学にもアントレプレナーシップ科目があり、ワンキャンパスで多くの学部が集まっていることが入学を決めた大きなきっかけになりました。
京都産業大学御前星真さん
「就活の教科書」編集部野口
アントレプレナーシップに興味があって、その軸で大学を決められたのですね!
「起業したいけど、何から始めればいいかわからない」と悩んでいたのですが、専門の先生からビジネスアイデアの着想方法や資金調達などの知識を学べるというのは、とても魅力に感じました。また、学生同士のつながりや新しい出会いが生まれることも大きなポイントだと思い、受講を決めました。
京都産業大学御前星真さん
「就活の教科書」編集部野口
「起業したいけど何から始めればいいかわからない」という中で、アントレプレナー育成プログラムへの参加を決意されたのですね。
アントレプレナー育成プログラムで特に印象に残っている授業はありますか?
アントレプレナー育成プログラムで印象に残っているのは、戦略の授業です。
理由としては、今自分が取り組んでいる「あきコマ」というサービスが、プラットフォーム型のビジネスなので、授業の中で学んだツーサイドプラットフォーム戦略がすごく役立ったと感じています。
加えて、入学してすぐの頃に学んだ競合分析や4P分析なども、今の活動にしっかりつながっていると実感しています。
京都産業大学御前星真さん
「就活の教科書」編集部野口
プラットフォーム戦略ですか。勉強になりそうなので私も授業を受けてみたいです。
アントレプレナー育成プログラムに参加する前は、何をすればいいのかまったく分からなくて、正直起業の“き”の字すら知らない状態でした。なので、まずは起業の基本を知ることがスタートだったと思います。
そこから、学内で学んだことを活かして、学外のいろんなプロジェクトにも参加するようになりました。大学のプログラムだけでなく、学外の機関も積極的に活用しながら、自分なりに活動を広げていきました。
京都産業大学御前星真さん
「あきコマ」は隙間時間に就活できて報酬がもらえるサービス
「就活の教科書」編集部野口
アントレプレナー育成プログラムを通じて、アントレプレナーシップを身につけられたのですね。
あきコマというサービスについて詳しく教えてもらえますか?
あきコマは、学生が隙間時間を活かして優良中小企業、成長企業の説明会に参加できるサービスです。
多くの学生が「時間がなくて企業説明会に参加できない」という悩みを抱えている中で時間の有効活用ができます。
加えて、あきコマを利用して説明会に参加すると、報酬が発生します。
就活はお金がかかる場面も多いので、「隙間時間に就活ができて、ちょっとした報酬も得られる」というのは、学生にとって現実的なメリットだと思っています。
この点については、弁護士の方と相談しながら、適切な形で運営しています。
京都産業大学御前星真さん
「就活の教科書」編集部野口
隙間時間に説明会に参加するとお小遣いがもらえるのですか?凄いサービスですね。
あきコマを立ち上げて本当に間もないと思いますが、苦労したり悩んだ経験はありますか?
悩んだことは大きく2つあります。
1つ目は、サービスのアイデアを出した段階、ちょうど2024年ぐらいの時期です。頭の中では「これはいける」と思っていたんですが、実際に動き出してみると、企業側と学生側の課題にズレがあり、思っていたようには進まない場面が多くありました。そこが最初の大きな壁でした。
2つ目は、ベータ版を回していた最近の段階です。「思ったような結果が出ない」ということに対して、すごくストレスや悩みを感じていました。ただ今は、2025年6月を区切りとして、体制を整え直して再スタートを切っているところです。そうやって前向きに改善しながら進めています。
京都産業大学御前星真さん
「就活の教科書」編集部野口
壁に当たって悩んで、その上で前向きに改善されているのですね。
あきコマの今後のビジョンを教えてください。
「あきコマ」には現在約130人の学生が登録していますが、2025年7月までに200人を目指しています。
企業側はまず25社を目標にし、10月までは無料で参加できる形にしています。そのうえで、10月までに50社の企業を集めることをKPIとして設定し、学生と企業の両方を増やしながらプラットフォームを拡大していく予定です。
京都産業大学御前星真さん

京都産業大学インタビュー④就活生へのメッセージ
「就活の教科書」編集部野口
みなさん、ありがとうございました。
最後に就活生にメッセージをお願いします。
アントレプレナー育成プログラム同様、私たちが大事にしているのは「失敗しない4年間」ではなく、あえて“失敗を経験できる4年間”にすることなんです。
就職や起業など、進路にはいろんな選択肢があります。でも、どれが自分に合っているかは、実際にいろいろやってみないとわからないと思うんです。だからこそ、大学生活の中でたくさん挑戦して、失敗も経験して、自分の進む道を見つけてほしいと思っています。
大学は、そうした挑戦の場であり、何度も試すことができるプラットフォームです。うまくいかなくてもいいので、ぜひ動いてみてほしいです。
京都産業大学奥村靖之先生
今は「人生100年」と言われる時代ですから、大学のリソースはすべて、大学時代だけでなく、学生が自分の人生を幸せに終えるためにあるものだと思っています。
起業でも就職でも、どんな進路を選んだとしても、ぶれない自分を持っていてほしいと思っています。
京都産業大学棚原由香利先生
「失敗しない4年間」というお話にもつながるのですが、私はこの1年間、本当に行動力だけで生きてきたように思います。
今の時代、将来に希望が持てない方も多いと思います。でも、動いてみることで、新しい選択肢や可能性がきっと見えてくるはずです。
周りから「すごい」と言ってもらうこともありますが、実際のところ私は全然すごくなくて、ただ行動力があるだけで、他大学の方と比べると劣っていると感じます。でも、それでも行動力があれば、状況をひっくり返せることもあると思っています。
だからこそ、みなさんにもまずは一歩踏み出して行動してほしいなって思います。
京都産業大学御前星真さん
「就活の教科書」編集部野口
アントレプレナーシップ学環の新設が楽しみですね。
お話を伺って、私自身もアントレプレナー育成プログラムを受講してみたいと感じました。
みなさん、ありがとうございました!