【代表インタビュー】株式会社アカリク 山田諒さん |「アカリク」で研究と就活は両立できる

「就活の教科書」編集部 野口

「就活の教科書」取材担当の野口です。
今回は、大学院生・理系学生のキャリア支援をされている株式会社アカリクの代表取締役、山田 諒さんに研究と就活の両立方法について伺いました。
Profile


山田 諒(Yamada Ryo)
株式会社アカリク 代表取締役
2011年、大手通信系グループ会社に入社し、人材育成・研修の提案営業に従事。その後、レバレジーズ株式会社へ参画。人材紹介事業「レバテック」の事業部長として、エンジニア・クリエイターのフリーランス・転職・就職支援を牽引。2021年4月、株式会社アカリクの代表取締役に就任。「知恵の流通の最適化」をミッションに掲げ、大学院生、博士、研究者のキャリア支援を実施している。

山田諒さんにインタビュー①:スカウトサービス「アカリク」とは?

理系学生の就活課題①「時間的コミットメント」の不足

── さっそくですが、大学院生や理系学生ならではの「就活の難しさ」はどこにあると思われますか?

山田さん: 二つの側面があると考えています。一つは、「時間的コミットメント」の不足です。

大学院生や理系学生の生活は、多くが「研究」に集約されています。学会発表の準備や実験に追われ、一般的な就活イベントに足を運ぶ時間を確保することが困難です。学部生と同じようなスケジュールを組むことが構造的に難しいという課題があります。

 

忙しい院生にこそ、スカウトという選択肢を

山田さん:アカリクは、学生が研究内容、学会での実績、長所や短所、これまでに得られたスキルをマイページに書き込んでおくと、それを見た企業の人事や現場の担当者からスカウトが届く仕組みです。

研究の合間に就活ができ、「受け身でも就活が進む」というのは学生にとって大きなメリットだと考えています。

アカリクは大学院生の3人に1人が利用しているデータベースで、毎年、約3万人の学生にご登録いただいています。

 

学校推薦から「自由な比較検討」へ

── 理系といえば、教授や学校からの「推薦」が強いイメージがありますが、最近の傾向はいかがですか?

山田さん: おっしゃる通り、以前は推薦で決めるのが一般的でした。しかし、最近は推薦枠の利用が年々減少傾向にあります。

加えて、現代は「しがらみに囚われず、自由に就活をしたい」という学生が多いです。推薦は内定が出れば辞退しにくいため、「自分のキャリアに向き合い、複数の会社を比較検討して選びたい」というトレンドに合わなくなってきています。アカリクへの登録者が増えている背景には、こうした学生の意識の変化もあると感じています。

 

 

 

山田諒さんにインタビュー②:アカリクイベントとは?

理系学生の就活課題②視野が狭まる「専門性」のジレンマ

── 大学院生や理系学生の就活のもう一つの課題として挙げられていた点についても教えてください。

山田さん:二つ目の課題は、「専門性によって視野が狭まってしまう」ことです。

例えば、機械・電気・情報系の学生は、メーカーやIT企業からの需要が高く、オファーが殺到します。一方で、生物や薬学、農学系などの専攻になると、製薬メーカーや食品メーカー以外にどこに行けばいいのか分からず、選択肢を自ら狭めてしまうケースが多々あります。

 

── 「この研究をしているから、この道しかない」と思い込んでしまうのですね。

山田さん:その通りです。しかし、研究で培われた「論理的思考力」や「課題へのアプローチ手法」は、どの業界でも重宝されるスキルです。そうした学生には、研究で得られたスキルを活用できる新たなキャリアを見つけてもらえるよう、「イノベーションサミット」というイベントへの参加を勧めています。

 

イノベーションサミット:グループワーク型の選考

── その「イノベーションサミット」とは、どのような内容なのでしょうか。

山田さん:イノベーションサミットは、オーダーメイド型の選考イベントです。理系の院生や博士学生が、特定の企業が抱えるリアルな課題に対して、数日間かけてグループワークを行います

テーマは「新規事業の立案」など、難易度が高いものです。企業側が見ているのは、単なる知識の有無ではありません。複雑な論点をどう整理するか、周囲とどう議論を深めるか、そして最後に出されるアウトプットの質はどうか、といった学生の「素」をじっくりと観察します。

 

適性を見極めることで、ミスマッチが減る

── 1時間の面接では分からない素顔が見えてきそうですね。

山田さん: そうですね。面接官の力量や学生の緊張に左右されず、実際の仕事に近い環境での動きが見えることがメリットです。優秀な学生がいれば、選考カットになることもあります。企業にとっても「研究開発よりも、生産技術やマネジメントの方が合いそうだ」といった適性の見極めができるため、入社後のミスマッチを減らすことができます

 

 

 

山田諒さんにインタビュー③:アカリク就職エージェントとは?

キャリアアドバイザーの4割が院卒

── 人材紹介サービス「アカリク就職エージェント」の強みは何でしょうか。

山田さん:アカリク就職エージェントの強みは、キャリアアドバイザーの約4割が大学院出身者である点です。新卒採用においても、半分ほどが博士号取得者を含む院卒者です。

キャリアアドバイザーが「この時期は学会が重なって忙しい」「教授との関係性で動きづらい」といった、院生特有の機微を理解しています。だからこそ、学生に寄り添った的確なアドバイスができるのです。日程調整などの事務作業も行いますし、いわば「痒い所に手が届く」サポートができるのが、アカリク就職エージェントの強みです。

 

学生が気づかないスキルを引き出す

── 同じ境遇を経験した先輩にサポートしてもらえるのですね。

山田さん:はい。加えて学生が気づいていない「強みの棚卸し」には自信があります。例えば、研究室で学部生の指導をしているエピソードから、高いマネジメント能力や教育スキルを見出したり、教授からの厳しいオーダーに対してどう優先順位をつけて動いているかを深掘りしたり。

学生の希望とマッチする求人のご紹介だけではなく、学生が気づいていない強みを引き出すことで、可能性を広げています。その結果、納得のいくキャリアを歩める学生が増えており、感謝の言葉をいただく機会も多いですね。

 

就活のガス抜きもOK

── 理系学生なら、アカリク就職エージェントを利用した方がお得ですね。

山田さん:初めての就活において、伴走者がいて損はないと思います。

「今日は就活の愚痴を聞いてください」といったガス抜きも大歓迎です。メンターやキャリアパートナー、時には少し頼れる先輩のようなラフな距離感で相談に乗ることもあります。

最終的なゴールは「納得の内定」ですが、そこに至るまでのプロセスで、学生が自分自身の可能性を信じられるようになること。その手助けをすることに、アカリク就職エージェントの存在意義があります。

 

 

山田諒さんからメッセージ「一人で悩まず、使えるものは使い倒す」

── 最後に、今まさに就活に励んでいる大学院生、そしてこれから活動を始める学生へメッセージをお願いします。

山田さん: 就活はすごく大事な意思決定なので、色々比較検討して、満足する結果を生み出してほしいと思います。人との出会いで、キャリアは無限に広がると思っています。一人の力で研究も就活も悩んでしまうと、視野が狭くなり、結果的にいい決断が難しくなることもあるでしょう。

アカリクのイベントに出て就活仲間を作ったり、エージェントを使って自分の意外な強みを発掘してもらったり、時にはアドバイザーに愚痴をこぼしたり……。何でもいいんです。周囲を巻き込み、多様な価値観に触れることで、自分自身が納得できる決断を下してほしいです。なので、使えるものはすべて使い倒してほしいですね。

 

「就活の教科書」編集部 野口

山田さん、本日は貴重なお話をありがとうございました!