「就活の教科書」編集部 野口
今回は、元プロランナーとしての知見を活かし、アスリートのポテンシャルを分析してマッチングを行う「アスワーク」を展開する、株式会社OFFICE YAGIの八木勇樹さんにお話を伺いました。

八木 勇樹(Yagi Yuki)
株式会社OFFICE YAGI 代表取締役
RDC GYM・RDC RUN CLUB・SWAC 代表
ATHLETE AGENT 監督
インターハイ2年連続日本人トップ、国体優勝。大学時代には2011年箱根駅伝優勝メンバーで4年時に主将を務める。実業団時代にはニューイヤー駅伝2区で日本人歴代最高記録を樹立。2016年に独立後は自身の競技を行いながらRDC RUN CLUBを創設し一般ランナーの指導を行う。2019年に競技引退後に東京都内に低酸素ジムRDC GYMを創設。ランナーだけでなくサッカーなど他競技選手のトレーニング指導を行っている。また、2022年からマラソン大会THE CHALLENGE RACEを主催。2023年には飲食店コーヒーとおにぎりPAMOJAを創設。現在はアスリートや一般の人のトレーニング指導、飲食店の経営、大会運営、アスリートの就職支援を行っている。
目次
株式会社OFFICE YAGIの八木勇樹さんにインタビュー
箱根駅伝3冠からプロランナーを経て、経営者の道へ
── まずは八木さんのこれまでの歩みについて教えてください。
八木さん: 私は現在36歳になりますが、人生の大部分を陸上競技の長距離種目に捧げてきました。高校時代はインターハイや国体に出場し、国体では優勝を経験しました。その後、早稲田大学に進学し、幸運なことに「出雲・全日本・箱根」の3大駅伝すべてで優勝し、3冠を達成することができました。
大学卒業後は実業団の旭化成に進み、2016年に独立。自分自身で海外のレースに挑戦しながら、現在の株式会社OFFICE YAGIを立ち上げました。2019年に競技を引退してからは、指導者やジム運営、マラソン大会のプロデュースなど事業を拡大し、その一環として体育会系学生やアスリートに特化したキャリア支援サービス「アスワーク」をスタートさせました。
「体育会系=営業」という印象を壊したい
── 「アスワーク」を立ち上げたきっかけは何だったのでしょうか?
八木さん:多くの現役・元アスリートから相談を受ける中で、既存の人材紹介の仕組みに違和感を抱いたからです。
世間一般的に「体育会系は体力があるから、営業に向いている」というイメージを持たれがちです。確かに需要は高いのですが、現実は営業職に就いた元アスリートの離職率が非常に高いという課題があります。これまでは「個人の責任」と片付けられてきましたが、私はそうではないと考えています。
── 確かに「体育会系=営業職」というイメージがありますね。離職率が高いのですね。
八木さん:はい。人生の半分以上を競技に捧げてきたアスリートの方々は、性格や特性が競技の特性と深く結びついています。例えば、同じ陸上でも長距離ランナーは「目標に向かってコツコツ取り組む」のは得意ですが、必ずしも「社交的でコミュニケーションをとるのがが得意」な人ばかりではありません。
個人のバックボーンを無視して「体育会系だから営業」と当てはめるのではなく、その競技で培われた本当の強みがどこにあるのかを言語化する必要があると感じたんです。
競技特性やポジションから導き出すマッチング
── 他社の人材紹介サービスとアスワークの違いを教えてください。
八木さん: 単に企業を紹介するだけではありません。アスワークの特徴は、「団体競技か個人競技か」「競技でどのポジションだったか」まで踏み込んだ独自開発の適性検査を行っている点です。
まずは、どのようなキャリア形成をしていきたいかを丁寧にヒアリングします。その上で、適性検査の結果から得られたデータもきちんとお伝えし、どの企業がベストなのかを選定していきます。お互いが内容を深く理解し、納得した状態で、共に進むべき企業を決めていくという形をとっています。
── 適性検査で自分の強みと競技特性が見えると、企業とのミスマッチも減りそうですね。
八木さん: 加えて、アスワークのコンサルタントが全員「元アスリート」であることも強みです。競技に注いできた熱量をどう仕事に転換するか、その難しさを肌で知っているメンバーだからこそ、求職者の想いに深く寄り添うことができます。
また新卒・中途入社だけでなく、競技を続けながら働く「デュアルキャリア」の支援にも力を入れています。アスリートが競技を引退した後も、その後の人生で輝き続けられる世界を作りたいと考えています。
「キャリアの遅れ」を埋め、社会での成功事例を創出したい
八木さん:現状、アスリートとして活動してきた方が、その強みを活かしてビジネスで大きく成功したという事例がそれほど多くないと感じています。
そこにはキャリアの「遅れ」という問題があります。例えば30歳で競技を引退した方と、大学卒業後22歳で働き始めた人を比べると、仕事上どうしても「8年間の遅れ」が発生してしまいます。
この8年をどう埋めていくかが重要ですが、競技に専念している間は、競技以外のことを考えることが難しいと思います。指導者の方が社会のことを教えてくれる場合もあれば、そうでない場合もあります。
結局「自分自身でいかに情報を掴むか」が鍵となりますが、もし情報が掴めない状況であれば、私たちがこれまでの知見をお伝えしていきたいと考えています。キャリアをどう築いていくかという将来像が見えていることも重要だと考えています。社会人として活躍する元アスリートの方が増えると良いですね。
八木さん:企業側に対しても、「体育会系」と一括りにするのではなく、各選手の特性をセグメントして理解してもらうよう働きかけています。採用担当者の知見が深まれば、アスリートがもっと自然に、適材適所で活躍できる社会になると信じています。
不安を感じている、すべてのアスリートの方へ
── 最後に、就活生やキャリアに悩むアスリートの方々へメッセージをお願いします。
八木さん:今、やりたいことが決まっている方や、自分の未来を具体的に描けている方は、ぜひそれに向かって頑張ってください。一方で、「これまでずっとスポーツをやってきたけれど、それが社会でうまく適応できるのか」「培ってきたスキルを仕事に転用できるのか」と不安を感じている方もいらっしゃると思います。
私たちは、そうした不安を一つひとつ噛み砕いて整理していきます。しっかりとキャリアを築いていけるようサポートをさせていただきますので、ぜひお問い合わせください。
「就活の教科書」編集部 野口
多くのアスリートにとって、心強い支援をしてくれるサービスだと感じました。
八木さん、貴重なお話をありがとうございました!


