「就活の教科書」編集部小林
こんにちは!「就活の教科書」取材チームの小林です。
本日は、キャリア支援を行っているプロティアン・キャリア協会の後藤要二さん、森隆剛さんにお話を伺いました!
この記事を読めば、「プロティアン・キャリアって何?」「キャリアを考える上で大事なこと」について知ることができます。
「自分のキャリアってどうしたらいいんだろう…」「キャリアにどう向き合ったらいいかわからない…」などの悩みがある人は必見です!
よろしくお願いします。
プロティアン・キャリア協会 後藤要二さん
よろしくお願いします。
プロティアン・キャリア協会 森 隆剛さん
後藤 要二 (ごとう・ようじ)
一般社団法人プロティアン・
2000年に三井不動産株式会社に入社。現在、運営企画部門にて管理職を務める。
人事・キャリア領域を今後のライフワークとして、キャリアコンサルティングの国家資格取得を契機にプロティアン・キャリアの普及に貢献。
森 隆剛 (もり・たかまさ)
一般社団法人プロティアン・
教育現場10年の経験を経てリクルートで学校向け進路支援に従事。
現在、プロティアン・キャリア協会にて変化の時代に対応する自律的キャリア形成を法人向けに発信。
教育者の洞察力と企業経験を活かし、個人と組織の成長を支援。
目次
後藤 要二さんと森 隆剛さんにインタビュー①:「プロティアン・キャリア」とは?
プロティアン・キャリアとは“変幻自在な人生のあり方”
「就活の教科書」編集部小林
さっそくですが、「プロティアン・キャリア」とはなんでしょうか?
「プロティアン」という言葉は、ギリシャ神話の“プロテウス”という神様の“どんな状況においても何者にも変身できる”という特性から由来しています。
そこをモチーフとして、人の“キャリア”も状況に応じて自分で変化させて成長していく、『変幻自在な人生のあり方』を提唱したというのが、プロティアン・キャリアの大元の考え方です。
プロティアン・キャリア協会 後藤要二さん
「就活の教科書」編集部小林
プロティアン・キャリアとは「自分自身の変幻自在なキャリア」ということなんですね!
我々のプロティアン・キャリア協会では「現代版プロティアン・キャリア」と言ってまして、現代社会においてもこの「何者にも変わり得る」という考え方は生きるのではないかということで提唱しています。
プロティアン・キャリア協会 後藤要二さん
プロティアン・キャリアの要素①:アイデンティティ
「就活の教科書」編集部小林
プロティアン・キャリアは現代でのキャリアについての考え方ということですが、具体的にはどのようなものなのでしょうか?
プロティアン・キャリアの中身としては二つの要素が大事だと思っておりまして、一つはアイデンティティです。
つまり「自分が何者であるか」「何になりたいか」「どうありたいか」という自分自身の軸が中心になってくる考え方です。
プロティアン・キャリア協会 後藤要二さん
プロティアン・キャリアの要素②:アダプタビリティ
もう一つがアダプタビリティで、“変化適応力”ですね。
いわゆる変幻自在にいろんなものに適応していけるしなやかさ・柔軟さといったところです。
「アイデンティティ」と「アダプタビリティ」の掛け算でプロティアン・キャリアが形成されていくのということをお伝えしています。
プロティアン・キャリア協会 後藤要二さん
「就活の教科書」編集部小林
キャリア形成には自分自身の軸をしっかりと持ちつつ、柔軟に対応していけることが重要なんですね!
一人一人がキャリアを描く時代
従来の考え方では、各々の社員のキャリアは会社・組織にキャリアの考え方を預けるというものであったと思います。
例えば、人事異動だったり、地方赴任などの異動辞令といったものに自分のキャリアを預ける。
要は会社の意図指示に基づいていろんな職歴を歩んでいくというのが従来のキャリアの考え方だったかなと思います。
個人と会社が同じ方向を向いて「一丸となってやっていくぞ」という、いわゆる直線的な企業成長という意味ではすごく役立ってきました。
プロティアン・キャリア協会 後藤要二さん
「就活の教科書」編集部小林
確かに、昔は“終身雇用”が当たり前で、同じ会社でずっと働くものだという考え方のイメージがあります!
ですが、今の世の中で振り返ってみると“VUCAの時代”という非常に不確実性が高くて、場合によっては1日にして事業環境が変わってくるということがあり得る時に、やっぱり必ずしも組織の中だけで描くキャリアだけが個人個人のキャリアではない、そういう時代だと思います。
プロティアン・キャリア協会 後藤要二さん
「就活の教科書」編集部小林
プロティアン・キャリアという考え方は、会社に委ねるだけじゃなくて一人一人がしっかりとキャリアの考え方を持つことで、環境変化にも対応できて、成長していけるということなんですね!
後藤 要二さんと森 隆剛さんにインタビュー②:「プロティアン・キャリア協会」について
協会での活動:キャリアを考えていきたい人と伴走する
「就活の教科書」編集部小林
現代においてプロティアン・キャリアという考え方はとても重要であることがわかりました!
プロティアン・キャリア協会では、この考え方を広めていくためにどのような活動をされているんでしょうか?
協会の仕事を専業にしている方もいれば、僕みたいに別の仕事をしながら協会の活動に参加している人も多くいます。
例えば、その中でのあり方としては、“いろんなキャリアを考えていきたい方に伴走する”プロティアン・キャリア認定メンター。
“プロティアン・キャリアの考え方を啓発したり、研修や勉強会などで広めていく”プロティアン・キャリア認定ファシリテーターという資格もがあります。
両方とも基本的には、プロティアン・キャリアの考え方を個人や組織の研修などに取り入れ、自分のキャリアを見つめ直すきっかけとして広めていくために存在しています。
プロティアン・キャリア協会 後藤要二さん
協会のメンバー:「キャリア」に対して関心を持った人たち
「就活の教科書」編集部小林
協会には、いろんな形で参加している人がいるのですね!
プロティアン・キャリア協会は“一般社団法人”ということですが、どのようなメンバーで構成されているのでしょうか?
後藤さんのように、過去に人事の経験をされる中でプロティアン・キャリアというものに関心を持って、かつそれを広めていくような活動をする方もいれば、人事部門に所属していてその本業の中で「プロティアン・キャリアをどのように活かしていくか」を真ん中に据えている方もいます。
もっと言えば、60歳を超えてセカンドキャリアとして、自身のキャリアを再スタートする方であったりと本当に様々です。
その中でも共通しているのは、『自身の経験の中で自身あるいは他者のキャリアに対して課題を感じ、“プロティアン・キャリア”に興味関心をもった人』しかいないということです。
プロティアン・キャリア協会 森 隆剛さん
「就活の教科書」編集部小林
社会人経験をされた上で、キャリアについて向き合っている方たちなんですね!
森 隆剛さんが協会に入ったきっかけ:もっといろんな人に自分らしいキャリアを築いてほしい
「就活の教科書」編集部小林
森さんがプロティアン・キャリア協会に入ったきっかけについて教えてください!
以前は10年ほど教師をやっていましたが、現在はプロティアン・キャリア協会で法人向け研修の講師として登壇したりしています。
やっぱり一番胸が踊る瞬間というのは相手が高校生とか先生に向けて話す時で、「自分と関わることでこの人たちはもっと良くなるはずだ」と無条件に思えるんです。
教師を続ける中で、「教育現場で伝えられることには限界がある」という課題を感じていました。
そこで教師を辞めて、現在はプロティアン・キャリア協会で様々な社会人のキャリア支援をしています。
ここでの取り組みが回り回って、将来的には高校生や教育現場のためになると考えているので、自分のキャリアの軸として最後まで取り組んでいきたいですね。
プロティアン・キャリア協会 森 隆剛さん
「就活の教科書」編集部小林
教師の経験を経てキャリアを伝える上での課題を感じ、今プロティアン・キャリア協会で活動されていることにつながっているのですね!
後藤 要二さんが協会に入ったきっかけ:「人生100年時代」を見据えて
「就活の教科書」編集部小林
後藤さんが、プロティアン・キャリア協会に入ったきっかけについて教えてください!
現在の会社に25年ほど在籍しているんですが、いわゆる総務の仕事や経営企画から法人営業の仕事であったりと様々な仕事を経験してきました。
その中で4年間人事部に所属していたんですが、ちょうどその頃がまさに“働き方改革”というのを進めている真っ最中で、定年延長の制度変更の運用をやっていました。
個人的にも、入社当初は「60歳で定年を迎え、その後は趣味を楽しみながら悠々自適に過ごす」といったキャリア観を持っていましたが、「ライフシフト」という本に出会い、「人生100年時代」という考え方に大きな影響を受けました。
プロティアン・キャリア協会 後藤要二さん
「就活の教科書」編集部小林
最近では、「人生100年時代」が当たり前の考え方になってきていますね!
人生100年ということは60歳で定年した後、「あと40年間もあるの?」というのが1番の衝撃でした。
60歳で定年ということもなくなってきて、生活の中で“働く”時間がすごく長くなるというのを感じました。
それと同時に、60歳までに自分の中で軸がない状態で「100歳までなんとか生きましょう」というのは無理だと思ったんです。
それが、自分のキャリアを見つめ直すきっかけになりました。
プロティアン・キャリア協会 後藤要二さん
「就活の教科書」編集部小林
60歳で定年して、何もない状態であと40年生きることを考えたら恐ろしいですね…
それがきっかけでキャリアコンサルタントの資格を取り、さらに深めたいと考えていた時に「プロティアン・キャリア」に出会いました。
これは変化に柔軟に対応しながら、自分のありたい姿を照らし合わせてキャリアを築く考え方で、長い人生を見据えた働き方を考える上で非常にフィットしたんです。
そこから、この考えを広める活動にも関わるようになりました。
プロティアン・キャリア協会 後藤要二さん
「就活の教科書」編集部小林
人事での経験を通して、キャリアを見つめ直すきっかけになったのですね!
後藤 要二さんと森 隆剛さんにインタビュー③:「キャリア」とは?
キャリア論を学んだことでの変化:「自分がどうありたいか」を軸に考えるように
「就活の教科書」編集部小林
後藤さんがキャリアコンサルタントの資格を取得したり、キャリアについて学ぶ中でどんな変化がありましたか?
キャリア論を学んで一番大きかったのは、「内発的動機」を意識するようになったこと。つまり自分がやりたいと思うことや、自分はどうありたいかを軸にキャリアを考えるようになりました。
それまでは評価されるとか、給料が上がるとか、いわゆる「外発的動機」が中心だったんですけど、それが大きく変わったなと感じています。
プロティアン・キャリア協会 後藤要二さん
「就活の教科書」編集部小林
給料や評価ばかりに目が行ってしまって、「自分が何をやりたいのか」についてはなかなか意識できないですよね…
もう一つ大きかったのが、「ジョブ・クラフティング」という考え方です。
会社から与えられた役割や目的に対して、どう取り組むかは「もっと自分らしくアレンジしていい」っていう考え方ですね。
言われたことをそのままやるんじゃなくて、自分なりの意味づけをしてちょっと工夫したり、自分の考えを反映させながら仕事に取り組む。
そういう風に仕事を捉え直せるようになったのは、キャリアを学んだことの大きな成果だと思っています。
プロティアン・キャリア協会 後藤要二さん
「就活の教科書」編集部小林
キャリア論を学ぶことで、自分の仕事を見つめ直すことにもなるんですね!
キャリアは単なる過去の履歴ではなく、「現在」と「未来」を含めて自分で描いていくもの
「就活の教科書」編集部小林
私のイメージでは、仕事をしていくうちに自分の中でキャリアというものは自然に出来上がってくるものだと思っていたんですが、実際にキャリア論を学ばないとなかなかわからないものなんでしょうか?
キャリアという言葉の語源は、もともと「轍(わだち)」。
車輪の通った跡を意味していて、これまで歩んできた道を指す言葉なんですね。
でも、プロティアン・キャリアをはじめとする現代のキャリア論ではキャリアは単なる過去の履歴ではなく、「現在」と「未来」を含めて自分で描いていくものだと考えています。
プロティアン・キャリア協会 後藤要二さん
「就活の教科書」編集部小林
現代のキャリア論では、過去や現在だけじゃなくて未来も“自分で描いていく”という考え方なんですね!
実際、キャリアって学ぶだけではなくて、一歩踏み出してみないと見えてこない部分もすごく多いんです。
もちろん知識として理論を学ぶことも大事なんですが、それ以上に小さなことでいいから行動してみる。
そして、その行動を後から振り返ったときに、キャリアの考え方があると「あ、自分ってこういうのが好きなんだ」とか「これはちょっと違ったかも」とか、そういう気づきが得られる。
そういう実践と理論を行き来しながら積み重ねていくことが、結果として自分らしい“豊かなキャリア”に繋がっていくんだと思います。
プロティアン・キャリア協会 後藤要二さん
「就活の教科書」編集部小林
ただ学ぶだけじゃなく、実践もしていくことでさらに自分のキャリアが深まっていくんですね!
若いうちからキャリア論を学ぶメリット:磨いていくことで価値が増す「キャリア資本」
「就活の教科書」編集部小林
キャリア論を学ぶというのは、やっぱり早いうちから学んだ方が良いんでしょうか?
先ほどもお話ししたように、人生100年時代と言われる今、やっぱりキャリアの準備は「早いに越したことはない」と思っていて、投資の世界でよく言われる「複利」ってあるじゃないですか。
同じ金額をコツコツ積み立てるよりも、得た成果を再投資していく方が最終的なリターンが大きくなるという考え方。
キャリアもそれと同じで、早くから行動して経験を積み重ねていくことで自分の選択肢や可能性がどんどん広がっていくと思うんです。
プロティアン・キャリア協会 後藤要二さん
「就活の教科書」編集部小林
キャリアも投資のように考えて良いということなのでしょうか…?
プロティアン・キャリアの考え方の中には「キャリア資本」という概念もあって、これはお金の資産とは違って使って減るものではなく、磨いていくことで価値が増していくもの。
たとえばビジネススキルだったり、人間関係だったり、経済的な知識だったり。
そういうキャリア資本を若いうちから意識して育てておくと、まさに複利のように年々積み上がっていって、将来的に大きな力になると思います。
だからこそ、やりたいことやキャリアの方向性はできるだけ早いうちから考えておくのが大事だと思っています。
プロティアン・キャリア協会 後藤要二さん
「就活の教科書」編集部小林
磨いていくことで価値が増す「キャリア資本」という考え方は、とても素敵ですね!
後藤 要二さんと森 隆剛さんにインタビュー④:就職活動中の「キャリア」への向き合い方
就職活動中・就職前にキャリアについて考えてほしいこと:なぜ「就職」をするのか
「就活の教科書」編集部小林
キャリア論は早いうちから考えた方が良いということでしたが、就職前や就職活動中に考えるべきことはありますか?
私自身の反省も込めて言うんですけど、就職活動って「なんとなく周りがやり始めたから自分も始める」というのではなくて、本当は「なぜ就職という選択をするのか?」をしっかり考えてほしいなと思うんです。
社会に出る方法って、就職だけじゃないですよね。起業もあるし、専門職や大学院進学などいろんな道がある。
その中で、会社に就職するっていう選択をしたならそこには何か理由があるはずで、そこを自分なりにちゃんと掘り下げておいてほしいと思っています。
プロティアン・キャリア協会 後藤要二さん
「就活の教科書」編集部小林
私も正直、「周りが就職活動するから、私も就職活動しなきゃ」って考えてました…
その理由がないまま入社してしまうと、働き始めたあとに「なんで自分はこの会社に入ったんだっけ?」と迷ってしまうと思うんです。
だからこそ、就活のタイミングから「自分は将来どうなりたいのか」「どんなことにやりがいを感じるのか」を少しずつでも考え、インターンなどを通して経験してみて、キャリアの土台になる“アイデンティティ”をぼんやりでも掴んでおく。
そういう姿勢がすごく大切なんじゃないかなと思っています。
プロティアン・キャリア協会 後藤要二さん
「就活の教科書」編集部小林
私も今、就職活動を始めようとしているタイミングだったので、その言葉にものすごくハッとさせられました!
一歩でも新しいところに踏み出して、自分の心と向き合ってみる
「就活の教科書」編集部小林
いざ、自分のキャリアに向き合って「自分のやりたいことって何だろう」ということを考えてみても、「やっぱり自分のやりたいことが見つからない…」という人は多いと思います。
そんな時には、どうしたらいいんでしょうか?
ある種「場数」だったり「打席の数」みたいなものかなと思っていて、どんなに小さな一歩でもいいので何かしら行動してみる、ちょっと踏み出してみるということをどれだけたくさんやれるか、それがすごく大事なんじゃないかなと感じています。
最近よく言われているのが「越境学習」ですね。
これは、たとえば会社員が一定期間、他の企業で働いてみるなど、普段の枠を越えて新しい環境に飛び込んでみるという取り組みなんですが、そこまで大きなチャレンジじゃなくても身近なところに「越境」の機会ってたくさんあると思うんです。
プロティアン・キャリア協会 後藤要二さん
「就活の教科書」編集部小林
「越境学習」と聞くと、壮大なことをイメージしてしまうんですが、身近なところの「越境」というのは例えばどんなことでしょうか?
たとえば、いつもと違う人と話すとか、普段やらないことにトライしてみるとか、それだけでも十分越境なんですよね。
大事なのは、今までの自分の“慣れた場所”や“安心なポジション”から、少しでも外に出てみるということ。
安心な場所から少し出てみると、自分の「やりたいこと」や「違和感」に気づけたりする。
だからこそ、スモールステップでもいいので「半歩でも一歩でも新しいところに踏み出して、自分の心と向き合ってみる」。
そういうことを、できるだけ早いタイミングから始めてみるのがすごく大切だと思います。
プロティアン・キャリア協会 後藤要二さん
「就活の教科書」編集部小林
私も、身近なことからトライしてみます!
自分自身の軸を見つけるために:自分の過去を振り返って“自分が惹かれたもの”
「就活の教科書」編集部小林
プロティアン・キャリアの考え方にもある自分自身のアイデンティティ、自分自身の「軸」の見つけ方はありますか?
自分の軸を見つけるには、まず過去を振り返って「なぜか夢中になったこと」や「続けられたこと」を思い出すのが大切です。
たとえば子どもの頃の遊びや習い事など、親の影響もあるかもしれませんが、自分が自然と惹かれたものにはヒントがあります。
プロティアン・キャリア協会 後藤要二さん
「就活の教科書」編集部小林
子供の頃のことでもいいんですね!
そして、社会人になってからの興味関心も、実はそう大きくは変わらないことが多いんですよね。
もちろんスケールや責任は変わるけれど、自分が「やりたい」「気になる」と反応するものはずっと根っこにある。
それが1つじゃなくても構いません。2つでも3つでも、それは軸の“候補”として持っておけばいい。
人生100年のなかで「今はこの軸を深めて、また別のタイミングで別の軸に挑戦する」そんな風に考えてもいいんじゃないかなと思います。
プロティアン・キャリア協会 後藤要二さん
「就活の教科書」編集部小林
自分の人生を振り返ってみたら、好きだったことならたくさん出てきそうです、、、!
そこからヒントを得ることができるんですね!
対話を通じて“人から見た自分”を知る
自分ひとりでじっくり考えることも大切ですが、いろんな人と話すことで新たな気づきが得られることも多いです。
仲間と話し合ったり、他人から「○○に夢中だよね」と言われて初めて自覚することもあります。
ひとりでも、複数人でも、対話を通じて自分を知ることはとても有効だと思います。
プロティアン・キャリア協会 後藤要二さん
「就活の教科書」編集部小林
他の人から見た自分を知ることで、さらに新しい発見ができそうです!
後藤 要二さんと森 隆剛さんにインタビュー⑤:今後の展望・キャリアに対しての想い
「自律的なキャリアを描くこと」を当たり前に
「就活の教科書」編集部小林
後藤さん自身やプロティアン・キャリア協会として、今後やっていきたいことや挑戦していきたいことがあれば教えてください!
プロティアン・キャリア協会としては「自律的なキャリアを描くこと」が当たり前になるよう、メンターやファシリテーターを通じてその考え方を広めていきたいと考えています。
教育現場から社会人研修、リカレント教育に至るまで、あらゆる学びの場で浸透させたいと思っています。
私は今「若手キャリアラボ」という取り組みのリーダーを務めており、大学生や若手社会人との接点を増やし、勉強会やワークショップなどを積極的に企画・実施しています。
プロティアン・キャリア協会 後藤要二さん
また、ぜひ体験してほしいのが「フロー体験」です。
時間を忘れるほど夢中になれる仕事に出会うことで、自分の可能性に気づき、成長を実感できる貴重な経験です。
その前提となるのが、自分の“やりたいこと=アイデンティティ”の理解。そうした体験を多く積めるようなキャリアを描いていってほしいと思います。
プロティアン・キャリア協会は、そんな皆さんの「壁打ち相手」や「学びの伴走者」として寄り添っていければと思っています。
プロティアン・キャリア協会 後藤要二さん
「就活の教科書」編集部小林
後藤さんの取り組みによって救われたり、自分らしいキャリアを描ける人がたくさん増えていくと思います!
森 隆剛さん:自分のキャリアを切り開きながら提供する先の誰かのキャリアも開いていく
「就活の教科書」編集部小林
森さん自身やプロティアン・協会として、今後やっていきたいことや挑戦していきたいことがあれば教えてください!
協会としては、皆さんが自分の理想の未来を“開く”ことを支援する存在でありたいと思っています。
そのために、若者ラボ、シニアラボ、キャリア教育ラボなど、さまざまな活動の場を設けています。
関わる人自身が、自分のキャリアを切り開きながら提供する先の誰かのキャリアも開いていく——そんな循環が生まれる組織でありたい。
そうやって活動が広がっていくことが、協会の目指す姿です。
プロティアン・キャリア協会 森 隆剛さん
「就活の教科書」編集部小林
誰かの未来の手助けをする中でも自分のキャリアを切り開き、またそれによって誰かのキャリアが開けていくというのは素晴らしい循環ですね!
個人としては、高校の教師の経験を通して、若者や教育の現場に関わることに強い情熱を持ってきました。
だからこそ今は、社会人への支援を通して自分の経験や価値を広く届け、その先にいる学生や教育現場へと還元していきたい。
それが自分のキャリアの軸であり、最後まで取り組みたいテーマだと考えています。
プロティアン・キャリア協会 森 隆剛さん
「就活の教科書」編集部小林
森さん自身の教師の経験を経てからのキャリアに対しての想いがすごく伝わってきました!
プロティアン・キャリア協会の方から学生・若手社会人へのメッセージ
後藤 要二さんからのメッセージ:「自由な時間がその人の成長を左右する」
「就活の教科書」編集部小林
最後に、後藤さんから学生・若手社会人に向けてのメッセージをお願いします!
最後に一つお伝えしたいのは、働き方改革が進む中で「自由な時間」が増えている今、その時間をどう使うかが個人の成長に直結するということです。
かつては会社が成長の場を与えてくれていた時代もありましたが、これからは自分で学び、挑戦し続ける姿勢がより求められていきます。
ネットフリックスを観て1日が終わるのか、自己研鑽や興味のある活動に使うのか、その積み重ねがキャリアを大きく左右すると思います。
そういった自律的なキャリア形成を支える存在として、プロティアン・キャリア協会をぜひ活用していただきたいです。
プロティアン・キャリア協会 後藤要二さん
「就活の教科書」編集部小林
自由な時間があるとだらけてしまいがちですが、私自身も少しずつでも意識的に行動してみようと思います!
森 隆剛さんからのメッセージ:「自分や他人の良さを信じて、可能性を諦めずに前に進んでほしい」
「就活の教科書」編集部小林
森さんから学生・若手社会人に向けてのメッセージをお願いします!
大きく3つ、お伝えしたいことがあります。
1つ目は、「自分の良いところを自分で認めてほしい」ということ。
出来ていないことは周りが教えてくれます。自分の“良いところ”だけは自分で見つけに行かないと、誰も気づいてくれません。
2つ目は、「人の良いところをもっと見つけて伝えてあげよう」ということ。
出来ていないことばかりを指摘し合うだけでなく、“良いところをちゃんと見て伝える”という姿勢が大切です。
3つ目は、「自分の可能性を勝手に決めないでほしい」ということ。
やりたいことが見つかれば、人はもっと努力できます。だからこそ自分で自分の限界を決めてしまうのではなく、自分の未来にもっと期待してほしいと思います。
これらは、僕が高校生にも、そして自分自身にもずっと伝えているメッセージです。
プロティアン・キャリア協会 森 隆剛さん
「就活の教科書」編集部小林
私も自分・他人の良いところに目を向けて、さらにそれを“伝えてあげる”ということを意識していきたいです!
後藤さん、森さん、本日は貴重なお話をたくさんありがとうございました!
私自身も、自分なりに自分のキャリアについて向き合って行こうと思います。