「就活の教科書」編集部 野口
小林 智裕(こばやし・ともひろ)
日本薬科大学 学生支援課 就職係
2023年4月に入職。前職は大学受験予備校にて、生徒の進路指導に従事。「大学へ送り出す側」から「学生を社会へ送り出す側」へとフィールドを移し、現在は学生一人ひとりが納得できる就職活動を目指して、個別相談からイベント企画まで幅広く担当している。
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2004年に開学。「個性の伸展による人生練磨」を建学の精神とし、ヘルスケア業界で活躍できる人材育成に注力。日本初の「漢方薬学科(現・漢方薬学コース)」を設置した大学として知られ、学内には本格的な漢方資料館も併設。
- さいたまキャンパス: 薬学部 薬学科(6年制)、 薬科学部 医療ビジネス薬科学科 スポーツ薬学コース、栄養薬学コース(4年制)
- お茶の水キャンパス: 薬科学部 医療ビジネス薬科学科 ビジネス薬学コース、 情報薬学コース、韓国薬学コース(4年制)
薬剤師を目指す学生から、医療ビジネスの専門家を目指す学生まで、それぞれの専門性を活かして製薬企業、病院、薬局、ドラッグストアなど、ヘルスケア業界全般へ多くの人材を輩出している。
日本薬科大学就職係にインタビュー①:6年制と4年制、それぞれの就活スタイル
実務実習と就活を両立させる「薬学生ならでは」のスケジュール
── 日本薬科大学には6年制の学部と4年制の学部がありますが、就職活動の流れに違いはありますか?
小林さん: 4年制の「薬科学部 医療ビジネス薬科学科」は総合大学と同様のスケジュールで就職活動を行いますが、6年制の「薬学部 薬学科」は就職と国家資格取得の2つがゴールとなります。
「薬学部 薬学科」では、5年次に就職活動を行いますが、同時期に病院実習と薬局実習が約5ヶ月間あります。学生によって実習時期が異なるため、自分の実習時期から逆算した計画的なスケジュール管理が求められます。
「実習があるから」で終わらせない。低学年からのインターンシップ推奨
── 授業や実習で忙しい薬学生は、インターンシップに参加する余裕があるのでしょうか。
小林さん: 最近では病院の職業体験や、調剤薬局・ドラッグストアのインターンシップに積極的に参加する学生が増えています。
大学としては、低学年のうちからインターンシップに参加することを推奨しています。実務実習で薬局実習と病院実習を経験する前に、様々な業界を見ておくことが、後悔しないキャリア選択への第一歩だと考えています。
日本薬科大学就職係にインタビュー②:学生が「納得」できる出会いを作る支援
── 日本薬科大学の就職係は、具体的にどのような就職支援に取り組まれているのでしょうか。
小林さん: 私たち就職係のスタッフ間で常に共通認識として持っているのは、「学生が自分自身で納得できる就職活動の実現をサポートする」ということです。
ES添削、面接練習などの個別相談はもちろん、業界研究セミナーとしてランチョンセミナーや、学内合同企業研究を開催しています。
常識を覆す「企業名非公開」の合同企業研究会
── まずは、合同企業説明会について教えてください。
小林さん: 薬学部4年生を対象とした「学内合同企業研究会」では、学生に向けて事前に参加企業名を公開しないというスタイルで開催しています。
参加企業名を公開すると、どうしても有名な大手企業や一部の業界に学生が偏ります。そのため本学では企業名と業界名を伏せて「企業プロフィール」のみを公開し、仕事への想いやビジョン、勤務条件など、自分が本当に興味を持てる企業を先入観なく選んで企業ブースを訪問します。
薬学部では「実習でお世話になった病院や薬局にそのまま就職する」という学生も多いですが、実習先以外の世界を知らないまま決めてしまうのは、将来のキャリアの幅を狭めることにもなりかねません。
企業名や業界名ではなく「企業プロフィール」を材料に選択してもらうことで、「病院志望一本で考えていたが、ドラッグストアにも興味が出てきた」「製薬会社の営業職(MR)も選択肢になった」といった、先入観のない出会いを作ることが狙いです。
初任給の高さだけでなく「長く働ける環境」を見抜く力を
── 面白い取り組みですね。企業プロフィールにはどのような情報を掲載しているのですか?
小林さん: 企業プロフィールは参加企業側に作成していただいています。企業理念から求める人物像や福利厚生まで、その企業がアピールしたいポイントが掲載されています。
奨学金支援制度の充実や初任給の高さなど、企業を選ぶ際に重要視するポイントは学生によってそれぞれですが、ミスマッチとならずに長く働けるよう、「企業の中身」をしっかり見て選んでほしいと考えています。
お弁当付き!お昼休みの「ランチョンセミナー」
── 「ランチョンセミナー」についても教えてください。
小林さん: ランチョンセミナーは企業様にお弁当を用意していただき、学生はお昼ご飯を食べながら企業の説明を聞けるイベントです。前期・後期合わせて年間10回ほど開催しています。学年制限を設けていないので、1年生から6年生まで、誰でも参加することができます。
- 学生: 無料で昼食をとりながら、リラックスした雰囲気で企業の話を聞ける
- 企業: 低コストで、多くの学生に自社の魅力を直接アピールできる
小林さん: 大手企業だけではなく、地元密着の中小企業まで幅広い企業に参加いただいています。中には学生が喜ぶよう、お弁当の種類をたくさん用意してくださる企業様もいらっしゃって、学生も楽しみながら参加しています。
学生支援団体「きゃりさぽ」
── 他にも就職支援において取り組んでいることがあれば教えてください。
小林さん:「きゃりさぽ」という学生による学生支援団体の立ち上げを行い、学生による運営を管理・サポートしています。現在は約15〜20名の学生が参加し、4年生向けの「研究室ガイドブック」発行や、オープンキャンパスでの企業コラボ企画など、「その人にとってあったらいいな」と思う支援を自分たちで形にしています。サポートを受ける側だけでなく、サポートする側も成長できる、良い循環が生まれていると考えています。
日本薬科大学 小林智裕さんからのメッセージ「納得感を持てるよう支援」
── 最後に、就活生やこれから進路を考える方へメッセージをお願いします。
小林さん: もちろん、本人が一番行きたい企業に内定するのがベストです。しかし、それ以上に私たち就職係が重視しているのは、「納得のいく就職活動」であったかどうかです。
たとえ第一志望への内定が叶わなかったとしても、万全の準備をしてやりきったのであれば、それは次のステップへの大きな糧になります。その「やりきるプロセス」を、私たちは全力で支えたいと考えています。
「就活の教科書」編集部 野口

