【インタビュー】東京交通短期大学 | 鉄道業界への就職率81.9%!内定を勝ち取るキャリア支援とは?

「就活の教科書」編集部 野口

「就活の教科書」取材担当の野口です。

今回は、鉄道業界への圧倒的な就職実績を誇る東京交通短期大学の仁平裕文先生に、どのようなキャリア支援をしているのかを伺いました。

Profile

仁平 裕文(にへい・ひろふみ)
東京交通短期大学 キャリア支援室 助教

キャリアコンサルタント(国家資格)、キャリア・デベロップメント・アドバイザー(CDA)。2007年教育系広告代理店に入社。高等学校をはじめ、大学・短期大学・専門学校へ営業。進路イベントの運営と生徒、保護者、先生方への進路相談を行う。その後、幅広く学生や子どもたちを支援するため、日本赤十字社、児童指導員、通信制高校を運営する仕事を経て、現在は就職支援に加え、キャリア支援科目の授業を担当。

東京交通短期大学とは

毎年多くの卒業生を鉄道業界に輩出している昭和鉄道高等学校や、進学実績が顕著な豊島学院高等学校と共に、学校法人豊昭学園の一員として1952年に設立。
国内で唯一「運輸科」を有する昼夜間制の短期大学。
地域密着型の総合生活サービス業を目指し、鉄道企業を中心とした交通産業界で活躍できる中堅実務者を育成することが教育理念。

東京交通短期大学 公式ホームページ

 

東京交通短期大学 仁平裕文先生にインタビュー①鉄道の現場が「学び場」になる

朝は駅員としてホームに立ち、昼から授業

── 東京交通短期大学は全日制の学校ではないのでしょうか。

仁平先生: 本学は「昼夜間制」で、13時10分から1限が始まり、19時40分に授業が終わるスケジュールを組んでいます。この時間割の最大のメリットは、午前中に鉄道現場でのアルバイトができることにあります。

多くの学生が午前中の時間を活用して、鉄道会社でアルバイトをしています。朝7時から9時のラッシュ時、駅員の代わりとしてホームに立ち、お客様の安全を見守ったり、体調不良の方の対応をしたりしています。

鉄道好きの学生にとって、現場で実践的な経験を積むことは、大きなメリットになっています。新幹線で遠方から通学する学生もおり、全国から「鉄道を仕事にしたい」という熱意を持った学生が集まっています。

 

業界就職率9割超!OB・OGネットワークと専門カリキュラムの強み

── 東京メトロ、JRなどにも就職の実績があるのですよね。

仁平先生:2024年度は卒業生の81.9%が鉄道業界へ就職しました。今年度(26卒)に関しては、現時点で9割を超えています。

この実績を支えているのは、長い歴史の中で築かれた先輩方とのネットワークです。現場の第一線で活躍するOB・OGが学園祭や座談会で「現場のリアル」を後輩に伝えてくれます。さらに各鉄道会社と連携したキャリア講義や、ゼミナールでの論文作成を通じて多面的な視点を習得でき、専門学校と大学の両方の良さを併せ持っていることが本学の強みです。

参考:東京交通短期大学 就職実績

東京交通短期大学 仁平裕文先生にインタビュー②内定を勝ち取る「徹底したアウトプット」

10社のES作成で書く力を鍛える

── キャリア支援室では、どのような支援を行っているのでしょうか。

仁平先生:1年次の後期に行う「企業研究」の授業では、自分の第一志望に関わらず、合計10社のエントリーシート(ES)を書き上げます。

ホームページに載っている表面的な情報だけでなく、有価証券報告書や事業報告書から情報の集め方を学び、企業研究を深めます。企業の数字や経営方針まで研究した上で、「企業の強み」と「自分の強み」をどう掛け合わせるかを考えます。添削では評価基準を持って点数化することで、学生のモチベーションにもつながっています。

ES添削のポイント

徹底した企業分析:
有価証券報告書や事業報告書などの数字まで読み込み、企業の強みを把握する。

評価の可視化:
添削結果を点数化し、自分の「書く力」の現在地を把握してもらう。

練習から本番へ:
多くのESを書くことで「場慣れ」し、第一志望の選考に余裕を持って臨む。

仁平先生: 学生からは「苦行だ」という声も上がりますが(笑)、これを乗り越えることで書く力が飛躍的に向上します。過去の先輩たちが積み上げてきた膨大なアドバイスも、内定を勝ち取る大きな後押しになっています。

 

クレペリン検査からGDまで、鉄道業界の選考を完全対策

── 鉄道業界特有の試験対策についても教えてください。

仁平先生: 鉄道会社の選考に欠かせない「クレペリン検査」や「NR検査」は、全学的に早い段階で実施し、学生に体験させています。不安がある学生には個別のフィードバックを行い、対策を練ります。

また、2月、3月、9月には外部講師も招いた就職セミナー(面接・GD対策)を開催します。加えて、本学では内定を取得した2年生が主体となって後輩に就活対策を伝える機会を複数回設けています。授業で学んだことをアウトプットし、継承していく。この循環が、就職実績を維持する秘訣でもあります。

 

東京交通短期大学 仁平裕文先生にインタビュー③鉄道業界でのキャリアアップ

「好き」以上を捉えられ、仕事にできるか

── 鉄道が好きで入学してくる学生さんたちへ、どのようなメッセージを伝えていますか。

仁平先生:子ども時代から持ち続けてきた、学生たちの鉄道に対する熱意は本当に素晴らしいと思います。そこで「好き」以上を捉えられ、仕事にできるかを自分と対話するよう伝えています。仕事になれば、厳しい現実に直面することもあります。それら全てを包み込んで、鉄道に携わる仕事が「大好き」だと言える自分を目指してほしいです。

 

次世代の子供たちの「憧れの存在」へ

── 鉄道業界でのキャリアステップについて、学生にはどう伝えていますか。

仁平先生:車掌や運転士になることを目標にするのは素晴らしいことですが、その先のキャリアまで見据えてほしいと考えています。

長期的なキャリア形成の視点

現場のプロ:
駅務から車掌、運転士へ。さらに主任や駅長といったリーダー職へのステップアップ。
保線、車両を取り扱う技術職であれば、現場を取り仕切り、ゆくゆくは技術を伝えていける立場へ。

課題意識の保持:
日々の業務に対し、常に「安全・安心」を追求する目的意識を持つ。

多面的な視点:
企業により本社勤務やグループ会社への出向など、フィールドが広がった際にも対応できる専門性を養う。

仁平先生:社会に出れば「正解のない問い」に直面します。短大での2年間で培った自己理解と課題発見能力を土台に、3年後、5年後、10年後の目標を立ててほしい。次世代の子供たちの「憧れの存在」になってくれることを願っています。

本学の学生は自分の「好き」を持ち続けられる力があります。その気持ちが仕事を通じて鉄道をはじめ、交通機関を利用される皆さんの当たり前を支えてくれると信じています。生き甲斐を仕事としてとらえられる力は業界を盛り上げてくれると思います。目の前のお客様に自然と身体が動き、期待以上のサービスを提供できるイメージを持ちながら活動していくことで就職活動も充実したものになると考えます。
お客様の命を支える大切な仕事だからこそ、自身の人生も大切にしながらキャリアを積み上げていってほしいと願います。

 

東京交通短期大学 仁平裕文先生にインタビュー④:メッセージ

── 最後に、就活生や進路を検討している方へメッセージをお願いします。

就活生へ:最終目標を見つめ直す

仁平先生:就活生の皆さんは、目の前の忙しさに囚われそうになったら、一度「最終目標」を見つめ直してみてください。また、選考ではESでも面接でも聞かれるのは「あなた」のことです。自分が培ってきたことに自信を持って笑顔で伝えてください。

企業の採用基準や求められる人物像は企業により異なります。共通する点としては、仕事では正解を言えることではなく、自分の意見を持ち、対話できる力が求められます。加えて、業務にあたる上では瞬間的に判断し、行動せねばなりません。就職活動中でも多くの方々との出会いで新しい自分を発見し、成長することも可能です。出会いを大切にしながら、自分自身に必要なものを吸収し、最終目標に向かって頑張ってください。

 

進路を検討中の皆さんへ:自分自身を知る

仁平先生:これから進路を選択する皆さんへ。本学のように「好き」「強み」を活かせる学ぶ場所は無数にあります。その中から1つを選択するには学校を知り、研究することはもちろんですが、自分自身を知ることから始めてください。そして社会に出る前の大切なステップとなるそこにしかない、あなただけの学び舎を選択してください。本学では入学前にその点のサポートも行っています。ぜひ本学にいらっしゃってください。お待ちしています。

「就活の教科書」編集部 野口

仁平先生、ありがとうございました! 「好き」をただの憧れで終わらせず、10社のES添削や現場実習を通じて「プロの覚悟」へと昇華させる姿勢に、鉄道業界への強さの真髄を感じました。