【業界研究に役立つ】アパレル業界の現状や今後の課題、仕事内容を徹底解説

監修者:岡本 恵典(株式会社Synergy Career CEO)

衣服の製造・流通させる「アパレル業界」に憧れを抱いている学生も多いでしょう。

自分自身が想像しているアパレル業界と現状を見比べて業界研究を行わなければ、入社してからミスマッチが起こる可能性もあるため注意が必要です。

本記事ではアパレル業界の現状や今後の課題、おもな仕事内容を徹底解説します。

 

 

アパレル業界研究|現状と課題とは?

はじめに、アパレル業界の「現状」と「今後の課題」をみていきましょう。

消費者ニーズが多様化してきている現代において、アパレル業界は大きな転換期を迎えているといえます。

 

現状

アパレル業界の現状について、次の2点が特徴として挙げられます。

アパレル業界の現状とは

低コスト思考の恒常化
各ブランドにおいてECサイトはマストな存在

低コスト思考の恒常化

まずは消費者の低コスト思考が恒常化している点を覚えておきましょう。

一昔前の安い衣料品といえば、すぐに着られなくなってしまうようなチープな服ばかりでした。しかし現代では縫製技術や生産技術が向上しているため、安くてもクオリティの高い商品がたくさん販売されるようになったのです。

「プチプラ」といった言葉も定着化し、最近ではあえて高級ブランドの服を購入する人も減ってきています。なかには高級志向な人もいますが、日本全体で見てみると低コスト思考が浸透してきているのは事実です。

このような状況になったのは、社会情勢の変化により各家庭の経済力が低下してしまったことも原因の一つとして考えられます。

ファッションを「娯楽や趣味」と考える人も多いため、世の中が不景気になれば衣料品にお金を使う人が減ってしまうのは、ある意味仕方のないことだといえるでしょう。

 

各ブランドにおいてECサイトはマストな存在

ここ数年でECサイトの市場規模が大きく成長し続けています。そして成長するECサイト市場からさまざまな業界が影響を受けていますが、アパレル業界もその一つです。

アパレル業界でもECサイトは欠かせない存在で、自社のECサイトを開設していないブランドはほとんどありません。これほど普及されている理由は次のとおりです。

アパレルのECサイトが普及している理由
  • 店舗に足を運ばなくても洋服が買える
  • 在庫がなくて購入できないケースを回避できる
  • 店員から話しかけられずにじっくりと時間をかけて選べる など

消費者にとって上記のような利点が大きく、インターネットを通して衣料品を購入する人が急増しています。

また近年の社会情勢の変化において、自宅にいながらでも買い物ができる点から今後もECサイトの利用者は増え続けるでしょう。

 

今後の課題とは?

前述の現状を踏まえたうえで、次にアパレル業界の今後における課題を考えてみましょう。

アパレル業界における今後の課題
  • 消費者の支出が減少している
  • 実店舗の存在意義が薄れている

アパレル業界では、上記2つの課題が挙げられます。

アパレルブランドの「GU」がInstagramで独自にアンケート調査を行ったところ、約2万8,000人中62%の人が「服にかけるお金が減ってきている」と回答しました。(参考:「服にかけるお金が減っている」と62%が回答_WWD

先にもご説明したとおり、多くの消費者には低コスト思考が定着してきています。そこに加えて社会情勢が変化して不景気となり、ファッションにお金を使う人が減っているのです。

またECサイトなどの登場により、実店舗の存在意義が薄れはじめています。実店舗をもたないビジネスモデル「D2C」も増えてきました。

これによりECサイトを活用する消費者層がさらに急増することが見込まれているため、実店舗をもつブランドは「実店舗の存在意義」を見いだし、より繊細に他社との差別化を図っていかなければならないでしょう。

こうした課題を見れば将来性に不安を感じる学生もいるかもしれませんが、衣料品は生活するのに必要なアイテムのためなくなることはありません。

ファッションを楽しむのかどうかはさておき、生活必需品としての需要は最低限あります。

 

アパレル業界で覚えておきたい専門用語

ここでは、アパレル業界への就職を希望している人に覚えておいてもらいたい以下の専門用語を一部ご紹介します。

覚えておきたい5つの専門用語
  • SPA
  • OEM
  • コングロマリット
  • プレオーガニックコットンプログラム
  • CtoC EC(消費者間電子商取引)

 

SPAとは?

「Speciality store retailer of Private label Apparel」の略で、商品の生産から販売まですべての工程を自社ブランドで行うビジネスモデルのことです。

他業者を間に挟まないため、商品が企画されてから店頭に並ぶまでに時間がかからず、さらにコストも抑えられます。SPAを採用している代表的な国内ブランドは、「ユニクロ」「ZARA」「H&M」「無印良品」などです。

消費者ニーズの変化が激しい現代においては、需要変動のリスクをすべて自社で負うことになりますが、素早く需要を把握して実行できます。

 

OEMとは?

「Original Equipment Manufacturing」の略で、他社のブランド商品を自社で製造し販売するビジネスモデルのことです。

たとえばブランドをもっているが自社工場はないA社は、商品の企画開発まで行います。その立ち上がったブランドを、B社が指定されたデザインや素材に従って製造・販売します。

A社はB社からのブランド使用料で利益を上げ、B社は商品の企画開発をせずにブランド商品を販売できるといった、両者ともにメリットを得られるのが特徴です。

OEMを行っている具体的な企業とは「株式会社小島衣料」や「マツオカコーポレーション」「川中産業」などが挙げられます。

 

コングロマリットとは?

コングロマリットとは、直接関係のない複数の事業や業種が参入しているグループ会社のことです。複合企業とも呼ばれています。

企業同士が合体する言葉として「M&A」がありますが、これは同業種の企業が合併することを意味しており、業界内の立ち位置を向上させるために行われます。

一方でコングロマリットは、他業種や他事業といった自社とは異なる企業と合併してブランド価値を高め、お互いの企業で相乗効果を図るのが目的です。

世界的に有名なコングロマリット企業といえば「LVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)」です。ハイブランドのルイ・ヴィトンが、高級酒で有名なモエ・ヘネシーを買収したことで誕生しました。

 

プレオーガニックコットンプログラムとは?

プレオーガニックコットンプログラムとは、プレオーガニックコットン(POC)生産者の生活や栽培をサポートする取り組みのことです。

そもそもプレオーガニックコットンとは、無農薬栽培をはじめてから3年未満のコットン(綿)を指します。

よく耳にする「オーガニックコットン」は有機栽培されたコットンで、オーガニック農産物などの生産実績を2〜3年積んだあと、認証機関に認められた農地で厳格な基準を守り育てられるのです。

近年では、世界的に持続可能な社会を目指すための目標「SDGs」が注目されています。そして地球環境を守るためにも支持されているのが、農薬を使わないオーガニックコットンです。

しかし現行の農薬栽培からオーガニック栽培に移行する場合、コットン生産者の生産量と収入が2〜3年間減ってしまいます。それを支えるのがプレオーガニックコットンプログラムです。

 

CtoC EC(消費者間電子商取引)とは?

CtoC ECとは、一般の消費者同士が電子商取引をするビジネスモデルのことです。自分が購入したアイテムを、ECサイトなどを活用して自分で売りさばきます。

CtoC ECはおもに「フリマアプリ」と「ネットオークション」の2種類に大別できます。フリマアプリで有名なのは「メルカリ」や「ラクマ」です。ネットオークションでは「ヤフオク!」などが代表的なサービスといえるでしょう。

こうしたCtoC ECで取引される商品は衣料品や宝飾品が非常に多く、アパレル業界も大きな影響を受けています。

 


アパレル業界の仕事はおもに5種類ある

続いてアパレル業界の仕事を5つご紹介しましょう。自分がどの道に進みたいのかを決める参考にしてください。

アパレル業界におけるおもな仕事
  • デザイナー
  • パタンナー
  • バイヤー
  • 生産管理
  • 販売員

 

服のデザインを考える「デザイナー」

「デザイナー」は衣料品や小物などのデザインを考えるのが仕事です。どのような生地を使うのか、縫製はどうするのかなどの細かい指示を仕様書に起こします。

配色も決定するため、デザインだけではなく色に関する深い知識も必要です。

デザイナーに求められる能力とは?
  • デザインや色に関する基礎知識
  • トレンドをつかんだり先取りしたりする能力
  • 営業や工場と連携を図るコミュニケーション能力

 

デザインを元に設計する「パタンナー」

「パタンナー」は、デザイナーが書いた仕様書を元にパターン(型紙)を作成します。デザイナーがイメージする服になるように正確なパターンを作成しなければならないため、高い専門知識や技術が必要です。

アパレル業界では「商品の最終的なクオリティは、パタンナーの腕次第」といわれているほど大切なポジションです。

パタンナーに求められる能力とは?
  • デザイナーの考えをくみ取る想像力
  • 指示書に沿って型紙に書き起こしていく精密な技術力

 

商品の買い付けなどを行う「バイヤー」

商品の買い付けを行い販売計画を練って、それに沿った売り出しプランを考えるマーケティング部分を担うのが「バイヤー」です。

バイヤーになるためには、どの商品がどれくらい売れるのかなどを見極める目が必要です。また国内外問わず、現地に足を運んで商品を買い付けることも多く、フットワークの軽さも求められます。

加えてバイヤーも、デザイナーと同様にトレンドを瞬時に理解して取り入れていかなければなりません。流行を捉えられないと、時代遅れのブランドとして衰退してしまう可能性があるからです。

大変な仕事ではありますが、やりがいを感じる人も多い職業といえます。

バイヤーに求められる能力とは?
  • トレンドにアンテナを張り巡らせる力
  • センスが良く、目利きに長けた力
  • 軽いフットワーク

 

服の製造・管理を実施する「生産管理」

「生産管理」の仕事は、服を製造する工場の管理です。パタンナーが起こした型紙どおりに服が製造されているのかなどを細かくチェックします。別名「プロダクトマネージャー」とも呼ばれます。

生産管理も実は、トレンドや売れ行きを把握しておかなければなりません。流行などを考慮しながら、製造計画を実施する必要があるからです。

生産管理に求められる能力とは?
  • 製造計画を立てるうえで必要な分析力・洞察力
  • 裏方に徹していられる力
  • 広い視野で全体を見る力

 

実店舗で消費者の接客をする「販売員」

「販売員」は、私たちが実店舗で服を買うときに対面している店員のことです。

商品を陳列したりお会計をしたり、来店したお客さまにファッションの提案をしたりと接客部分を担います。

販売員の経験を積んでいけば、店長やエリアマネージャーなどに昇格する可能性も少なくありません。こうした肩書きがつけば、店舗の運営や従業員の管理といった接客以外の仕事も任されます。

新入社員の多くが販売員からスタートしますが、お客さまと直接関わる大切な仕事ですのでブランドのイメージを壊さないよう注意が必要です。

販売員に求められる能力とは?
  • お客さまと接するコミュニケーション能力
  • コーディネートの提案力

 

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当サイトがおすすめする自己分析のやり方は以下の記事にまとめていますので、合わせて参考にしてください。

 

 

アパレル業界の売上&シェア率ランキングTOP5

最後にアパレル業界を牽引する企業TOP5のご紹介です(※カッコ内は年間売上高)。

アパレル業界を牽引する企業TOP5

1位:ファーストリテイリング(22,905億円)
2位:しまむら(5,219億円)
3位:オンワードHD(2,482億円)
4位:ワールド(2,362億円)
5位:アダストリア(2,223億円)
(参考:アパレル業界売上高ランキング2019ー2020年_業界動向サーチ

業界研究を深めるためには、各企業の特徴を知ることが大切です。これら5つの企業に就職を希望していなくても知識として覚えておきましょう。

 

1位:ファーストリテイリング

「ユニクロ」や「GU」といった有名ファストファッションを展開する「ファーストリテイリング」。

上記の売上高の数字を見てみると、アパレル業界ではファーストリテイリングが独走状態です。

近年同社ではユニクロの国内事業を維持しつつも、海外事業を強化しています。同社の売上構成比でも、海外のユニクロのほうが2%ほど売上が高い状況です。

また国内外のユニクロが、売上全体の82%を占めているのも特徴です(参考:セグメント情報_2021.02.15_ファーストリテイリング)。

【公式サイト:株式会社ファーストリテイリング

 

2位:しまむらグループ

「しまむら」グループも、ファーストリテイリングと同様にファストファッションを展開する企業です。

プチプラアイテムを充実させている「しまむら」のほか、下記のようなブランドももっています。

  • カジュアルさを追求した「アベイル」
  • ベビー用品を取り扱う「バースデイ」
  • 雑貨をメインとした「シャンブル」
  • シューズを販売する「ディバロ」
  • 台湾を中心に展開しているリラックスブランド「思夢樂」

またアジアを中心に海外進出しているのも特徴です。

【公式サイト:株式会社しまむら

 

3位:オンワードHD

「オンワードHD」は、オリジナルブランド以外にも海外ブランドや、オフィスユニフォームブランド(法人向けブランド)なども手がけています。

同社のオリジナルブランドといえば「23区」「組曲」「BEIGE」などが有名です。

事業セグメントをチェックしてみると、アパレル事業のほかにライフスタイル事業がありますが、売上全体の90%近くをアパレル事業が占めています(参考:事業セグメント_オンワードホールディングス)。

【公式サイト:株式会社オンワードホールディングス

 

4位:ワールド

ブランド事業をはじめ、デジタル事業やプラットフォーム事業を展開している「ワールド」。

同社では「UNTITLED」「INDIVI」といったアパレルブランドや、「ITS’DEMO」「パサージュ ミニョン」といったライフスタイルブランドなど、幅広いブランドを取り扱っています。

またネット通販サービスを行うデジタル事業や、衣料品の生産・販売の拠点としてプラットフォーム事業にもビジネス展開し、活躍の幅を広げているのも特徴です。

【公式サイト:株式会社ワールド

 

5位:アダストリア

「アダストリア」は国内外で20ブランド以上、約1,500店舗以上を展開するカジュアルファッションの専門店チェーンです。

同社は数多くのSPAブランドを取り扱っており、具体的には下記のようなブランドが挙げられます。

  • GLOBAL WORK
  • LOWRYS FARM
  • niko and …
  • studio CLIP

アダストリアの特徴は、売上高100億円以上もある大きなブランドを複数所有しているところです。さまざまなタイプのブランドがあるため、多種多様な消費者ニーズを捉えられる点も強みといえるでしょう。

【公式サイト:株式会社アダストリア

 

   

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アパレル業界の仕事内容や動向を研究して自分の道を見つけよう

 

アパレル業界は、消費者の低コスト思考やECサイトの存在に大きく影響を受けていますが、決して将来性がないわけではありません。私たちが生活するうえで欠かせない衣料品を取り扱っているため、この先も需要がなくなることはないでしょう。

しかし今後は実店舗の存在意義を見いだしたり、消費者にどうやって商品を購入してもらうのかを考えたりしなければならないでしょう。

こうした課題を理解したうえで、自分が就きたい職業を見つけていくことが大切です。